こんばんは。
今日のブログは本の紹介です。
原田紀子著
西岡常一と語る木の家は三百年
宮大工の西岡常一氏との対談や関係者への取材、手紙のやり取りを
まとめた本です。
今では新築で伝統的在来工法が採用される事もほとんどないし、
古民家でもどんどん解体されていて住宅の寿命も300年どころか
30年くらいな気がします。
地震や台風、土砂崩れのような災害の度に建築の耐震基準が話題に
なってますが、「家は伝統工法で建ててきちんと管理すれば300年もつ。」
西岡棟梁のこの言葉通り、きちんと管理されている家はそういう災害でも
残っているように思います。
とは言え、こういう昔ながらの住宅は効率・能率重視の現代の
生活スタイルには合わなくなっているのも事実。
この本が刊行された20年前と今とでは家を建てる人の「いい家」の
基準が変わってしまっていると強く感じました。
昔ながらの技術が絶対に一番とは思わないですが、最新の技術が一番とも
思いません。昔ながらの技術の科学的な裏付けが出来るようになってきた
ので、そういう情報をしっかり集めて知ってもらう事がこれからの我々の
仕事やと感じます。
瓦業界は伝統産業と言われる事も多いです。
瓦の技術も日々進歩しているし、工法も新しいものが次々と開発
されているにも関わらず、そう表現されるのはそれだけ瓦が日本の
住宅に根付いているからです。
木の家、土の壁、瓦の屋根、紙の襖。
これって日本人の生活の根源にあるものじゃないかな?