こんばんは。
姫路の瓦屋さん表(おもて)です。
夕方から一気に冷え込んできました。帰ってきた職人さんを出迎えて明日
の段取りをするだけでも耳が痛くなるくらい寒くなりましたね。
ちょっと気管支炎気味なので気を付けないとです。
木造の自宅は地震があると大きく揺れます。
私が住んでいる姫路は震度1程度の小さい地震でもあまり起こりません。
子供の頃は関西は地震が起こらないって言われていて、それを信じてしま
うくらい有感地震が少なかったんです。
それが阪神淡路大震災以降、地震と分かるほどの揺れを感じる事は確かに
増えましたが、それでも学生時代に生活していた愛知県と比べると規模も
回数も小さいし少ないと思います。
そんな姫路ですが地震が起こった時にどこにいるかで感じ方が大きく違い
ます。木造の自宅や会社の事務所の場合は小さい地震でも揺れは大きく感
じます。ユラユラと長く揺れる感じですね。
学校の校舎なんかに居る時は小さい地震の時は全く気付かない事もありま
した。
基礎で固定されている方が良い?
現在の建築基準法では新築の建築物は全て基礎に固定しないといけない事
になっていますが、昔の住宅では基礎なしで石の上に柱を建てていて、建
物自体の重量で固定しています。
古いお寺などもこの工法ですね。
現在主流となっている考え方では基礎をするのは当たり前で、基礎がない
昔の建物は耐震性がないという診断をされる事が多いんですが、実はどち
らかが良くてどちらかが悪いって事ではないんです。
地震に対応する考え方の違い。
基礎で建物を地面に縫い付けて地震の力に耐える考え方が耐震です。建物
の構造も地震に耐える為に頑強なものにする必要があります。
地震が起こるたびにこの耐震性が問題になっているので、比較的よく聞く
言葉かもしれません。
逆に石の上に柱を立てて建築物の重量で固定するやり方を「免震」と言い
ます。地震が来たら瓦を屋根から落としたり、柱や梁の接合部が緩んだり
して地震の力を逃がします。
制振は大規模な構造物に採用される事が多く、古くは五重塔などにも採用
されている技術で地震のエネルギーを吸収して構造へのダメージを軽減す
る工法です。
古い建物には昔からの知恵がいっぱいです。
今でこそ免震や制振が力学的に検証されていますが、昔の人はどんな構造
にしたら建物が長持ちするのかを感覚的に分かっていたようです。
耐震に関しては技術の発達と共に強度が増してきて、計算がしやすかった
事で大きく普及したようです。
地震が起こる度に古い建物が耐震性に劣るというような報道がありますが、
建てられた当時の考え方と現在の考え方が違うだけなんです。
なんでもかんでも同じ基準で考えるんじゃなく、用途や規模、地域などの
条件によっていろんな工法が採用出来るようになったらいいのになぁ。
自宅で地震の揺れを感じながらそんな事を考えてしまいました。