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姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

ホンマに屋根は軽い方がいいの?建築の専門家として考えてみた。

知っておいて欲しい瓦屋根の知識

こんばんは。


姫路の瓦工事店の表(おもて)です。
そろそろ(おもて)ってふりがな打たなくてもいいかな?とか考
えたんですが「表」は珍しい苗字らしいのでもうしばらくこのま
まにしときます。

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瓦が重たい事は事実です。

 

瓦が重たいって言われてるけど実際どれくらいの重量なのかって
一般の方でご存知の方は少ないんじゃないでしょうか??
1枚あたりの重量は実は他の屋根材と比べてもそれほど大きく変
わりません。和瓦が1枚2.7kg、平板瓦が1枚3.6kg、
スレート瓦が1枚3.4kg、ガルバリウム製鉄板屋根材が1枚
4.1kgです。1枚あたりの重量としては和瓦が一番軽いくら
いなんですよね。ただ1坪(3.3平方メートル)あたりに使わ
れる枚数が和瓦が一番多くて53枚~56枚、平板瓦が40枚、
スレート瓦が20枚、鉄板屋根材が4枚となっている事が理由で
瓦の屋根は重たくなっているんです。

 

重い事は悪い事なんかな??

 

大きな地震がある度に瓦が重いから建物が潰れたって思われるよ
うな報道があって、今では現場でお客さんと話してると「瓦は重
たいんでしょ?」ってよく言われます。
映像的に被害があった事が分かりやすいから瓦の被害がよく流れ
ているだけやと思うんですが、あまりにも度々放送されるとみん
なそう思ってしまうのも仕方ないかもしれません。
でも重いって事が一概に悪いわけではないんです。
木造の建物は時間が経つと柱や梁などに使われている木材が痩せ
て細くなります。継ぎ手や仕口で組み合わされている伝統工法の
木造建築ではその細くなって出来た木材同士を屋根の重量で締め
る事によって建物全体の強度を確保していました。
古民家などの葺き替えで瓦を降ろすと全体が緩んで少しの風でも
家が揺れて、瓦を葺いてもらったら物凄くしっかりしたって話を
その家に住んでるお客さんから聞いた事があります。

 

軽い方がいい建物もあります。

 

ここ10年くらいで建てられている住宅は木材同士を金属のプレ
ートや大きなボルトなどで固定しています。耐震性を上げる為の
ものなんですが、これは木材を組み合わせるよりも耐震強度の計
算をしやすいので設計する時も施工する時も工程が少なく済むん
です。大工さんの腕による品質のバラつきも少なくて日本全国ど
こで建てても同じ品質の住宅を提供する事を容易にしたんです。
そういう建物では設計時に設定した屋根材の荷重で耐震強度の計
算をしているので、元々の設定が軽量の屋根材やのに葺き替えで
陶器の瓦などに変えてしまうと耐震強度が不足してしまう事にな
ります。今、軽い屋根にした方がって意見が多いのは昔の住宅は
陶器の瓦を使う事が前提となっているのでそれを軽くするだけで
耐震強度の判定をする時に有利になるっていうのが理由です。
実際には建物が建っている土地とか揺れの方向とか建物の高さと
か様々な要素が複雑に絡んでいて、屋根を軽くしたから地震に強
くて重いと地震に弱いって一概には言い切れないんです。
建築物はとにかく頑丈にしたらいいってものではなくて地震の力
に耐える事もうまく力を逃がす事も両方必要なんです。
我々はお客さんから「コレにして」と依頼されるとNoとは言い
ません。新築や葺き替えを検討される場合にはテレビで言ってる
から軽い屋根って決めつけずにご相談ください。
普通の瓦がいいのか軽量屋根材がいいのか現場をしっかりと見て
判断いたします。