姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

建物の屋根や塀などに載ってる飾り瓦にもいろんな意味があります。

こんばんは。


姫路の瓦工事店の表(おもて)です。
姫路に会社はありますが、工務店さんやお客さんから依頼があっ
たら比較的遠いところでも仕事に伺う事にしています。
今日は姫路から50kmほど離れた佐用町まで雨漏り調査に行っ
てきました。星がめっちゃ綺麗なところなんですよねぇ。最近全
く行けてないので、近々嫁さんと夜に星観に来ようかなぁって屋
根の上で思いました。

 

飾り瓦には装飾以外にも意味があります。

 

屋根や塀の上にいろいろな形の飾り瓦が置いてあるのを見た事あ
りませんか??あれってただ単に装飾の為だけに置いてあるんで
はないんです。
まぁ、意味と言っても言葉遊びや言霊的な意味であって、実用的
なものではないんですが、昔はそういうところも大事にするよう
な余裕があったんやなぁって感じます。
例えば↓の写真の鯉。

f:id:cbr1100xx-superblackbird-01:20170225223611j:plain建物の屋根や塀などに載ってる飾り瓦にもいろんな意味があります。


コレは水に関するものを載せることによって火から家を守る火事
除けのお呪いです。似たようなモノとしては立浪などもそうです
ね。同類の中で一番有名なのは鯱ですが、瓦の紋の部分に「水」
という漢字そのものを入れてる瓦もあります。「鯉」は「来い」
に通じていて千客万来を願う飾り瓦でもあります。

 

厄を除けて福を招く工夫です。

 

そもそも鬼瓦は厄を除けて魔を祓うという意味があるんですが、
その鬼瓦の面の部分に恵比寿さまや大黒さまが付けられている事
もありますし、富を象徴する小槌や健康や長寿を象徴する桃が付
けられている事もあります。鬼瓦の下の部分にある巴瓦には鶴と
亀がセットになってる事もあります。
長い塀が続く場合には七福神が勢ぞろいしている家もありますし
獅子や鷹が塀の端で睨みを効かせている事もあります。
これは全部その家に降りかかる災いや厄を除けて家内の繁栄を願
うものなんです。昔の人はこういう遊び心を取り入れながら真剣
に家の事を考えていたんですね。

 

お城やお寺は特にお呪いが多いんです。

 

お城やお寺、神社には特にそういったお呪いが多いように思いま
す。大勢の人が集まる場所なだけに一番災害などから守らなけれ
ばならないって意識が強いんですね。お寺や神社に関しては宗教
的な価値観なども加わっているので更に多くなっています。
明治時代の廃仏毀釈によってたくさんのお寺がお寺として存在す
る事が難しくなって宗派などを隠すためにごちゃ混ぜになってし
まって今に至るので現代では一概には言えないんですが、鬼瓦や
屋根の作りで宗派が分かるようになっていたりもします。
お寺の工事をする時にはそういった部分を間違えないように気を
つけながら提案していくのも1つの楽しみです。