姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

家を守って50年。お疲れさまでした。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
ここ数日めちゃくちゃ天気いいですね。熱中症対策が必須になってきました。でも日焼け対策してなくて首筋ヒリヒリです。

 

鬼瓦を降ろしました。

 

昨日から着工しているお宅の瓦葺き替え工事2日目です。大屋根の瓦が9割方降りてきて、今日は鬼瓦も降ろしてきました。
前回の葺き替え工事から50年経つそうなのでこの鬼瓦は50年間家を守ってきたって事になります。

f:id:cbr1100xx-superblackbird-01:20170519235829j:plain


そして葺き替えと言う事で築年数は最低でも80年以上って事ですよね。施主さんのお母さんの話ではお母さんのお爺さんが頑張って建てたとの事なので100年以上は経ってるんじゃないかと思われます。
当然土葺きで瓦の大きさもかなり小さいものなので枚数が多いんですが、その瓦全部を釘留めしてあった事に驚きました。
通常、土葺きの場合にはズレ留めに5枚に1枚程度銅線で釣ってあるだけなんです。2枚に1枚留めてあるだけでも相当いい仕事をしてるなぁって評価されるくらいなんですが、それが全数釘留めなので当時としては最高級の工事です。

 

役目を終えた瓦の活用法は?

 

今回の工事では古瓦は産業廃棄物として中間処理施設へ持ちこんで処分してもらいます。いぶし瓦は10mm程度にまで砕いて砕石に混ぜたりしてリサイクル材として再活用される事もありますが、その段階では基本的に元が瓦だったのか分からなくなっています。
ただし鬼瓦は施主さんの意向で処分せずに庭に飾られる事になりました。特注品で珍しいものってわけではないんですが、やっぱり50年も家を守り続けてくれた鬼瓦は処分するより飾りたいとの事でした。
鬼瓦などの飾り瓦系は庭で飾られる事も多いですが、桟瓦など同じ種類が大量にあるものに関しては活用と言えるほど活用されている事例はあまりないのが少しもったいない気もします。

 

瓦を受け入れてくれる処分場が減っています。

 

ここ数年で瓦の受け入れをしてくれる中間処分場がとても減ってしまいました。なんでも行政指導が入ったとかで瓦を受け入れる際に瓦以外のものが混入していたらダメだそうです。銅線や釘が1本でも混じっているとダメっていう徹底ぶりです。
でもハッキリ言ってその方針って現実的じゃないんですよね。分ければいいのは確かなんですが、釘や銅線を1本も残さずに全部回収するとなると予算が合いません。
ダメって言うばっかりじゃなくどうしたらいいのかっていう方策も指導して欲しいですね。