姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

昼間に部屋が暗い。そんな時の採光には色んな種類があります。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
だんだん蒸し暑い日が続くようになってきましたね。日が暮れたらかなりマシにはなるんですが、日中はあちこちの現場へ段取りで走り回っているので結構汗だくです。そろそろ着替えのシャツも持ち歩かないといけないかなぁ。

 

北向きの部屋って日中でも暗いですよね。

 

日本では玄関が南向きに作られる事が多いので必然的に台所などが北側に配置されやすいように思います。北向きの部屋って日光が入ってこないので昼間でも暗いイメージないですか?夏場は涼しくていいんですが、冬場はめちゃくちゃ寒いんですよね。
逆に南側の部屋は日光が入り過ぎて夏場はめちゃくちゃ暑くなるので庇を深くして直接日光が入らないように工夫されているのが日本の伝統的な住宅の作りです。
台所(昔の言葉では奥土さん)は昔から暗いのが問題やったようでかなり昔から屋根から採光出来るように工夫された瓦があります。今でいうトップライトですね。アルミなどの建材がなかった時代は瓦で成形して開口部にガラス板を嵌める形式が採用されていました。
瓦が今の形に落ち着いたのが江戸時代中期ごろと言われているんですが、ガラスを板状にする技術が確立されると同時くらいでこの形の瓦も開発されていたと思われます。
雨仕舞はあまりよくなくてこの部分からの雨漏りは仕方ないと思われていたようです。

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金属性のサッシで登場したトップライト

 

金属性のサッシとガラスの組み合わせは比較的歴史は浅いんですが、日本の建売住宅の需要とマッチしたようで高度成長期以後の建売住宅にはかなりの数が取り付けられています。
トップライト部分には瓦はなく、ガラスで直接雨を受ける構造なのでサッシ回りと瓦との取り合い部分の防水に問題点があり、未だに雨漏りの相談があったりします。最新のものはきちんと施工すれば大きな問題にはならないんですが、ガラスとサッシの取り合い部分のシーリングは経年劣化するのでどうしても時間が経つと雨漏りする確率が高いですが、技術の進歩と共に素材もかなり良くなってきているので寿命は昔のモノより長いと思います。
最新式のモノやと換気のために電動で窓を開けられるようになっていて、雨が降ってきたらセンサーが反応して自動で窓が閉まるというようなものもあります。

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瓦の形をした「ガラス瓦」

 

以前、このブログでも紹介した「ガラス瓦」はガラスの成形技術の向上で登場しました。まんま瓦の形をしているので雨仕舞が良くて屋根面の瓦の波を崩さないのが特徴ですが瓦の寸法でしか設置出来ないので部屋内の狙った所にバッチリ取り付けるには事前の瓦割が必要になってきますが、後付けでも施工する事が出来るので実際に家を建ててみたけど部屋が暗いなぁって時に比較的容易に取り付けられるのが利点です。
屋根からの採光は部屋が明るくなるのが利点ですが、屋根に直射日光が当たる部分に設置すると部屋の中はシャレにならないくらい暑くなるのでどれくらいの大きさで取り付けるのかなどいろいろと事前に考えておかないといけませんね。

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