姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

屋根の上だけじゃなく足元も注目して欲しいです。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
昨夜はブログ更新した後に雨が降り出して雷もかなり凄かったです。近所に落ちたみたいで家の窓ガラスがビリビリ響いてるし地響きするくらい大きな音がしてて停電しないかとヒヤヒヤしてましたが、今日の昼間にもゲリラ豪雨がありました。幸い現場のあるところではそれほど降らなかったみたいですが、この時期は夕立やゲリラ豪雨が怖いです。

 

瓦は屋根の上でしか使えないものではないんです。

 

瓦というと大半の人は屋根の上にだけ使われているって思われているんではないでしょうか?先日ブログにした瓦のコースターなどは最近になって作られたものですが、実は屋根以外の場所に瓦が使われていることって意外と多かったりします。
室内で飾る目的としてでは「干支瓦」というものがあります。その名の通り瓦に干支が彫り込んであるもので、業界では新年の挨拶の時に贈ったりもしますが、12年で一通り揃うと「もういらない」って言われたりもします。
他に屋根に上がっているものよりも小さいサイズの鯱や鬼かわらなども比較的古くから飾られています。

 

実用的なものも昔からあります。

 

飾り瓦のように一見してすぐに分かるようなモノの他に昔から実用されているものもあります。
「敷瓦」と言ってタイルと同じく地面に敷いて使います。普通のタイルよりも1枚がかなり大きいんですが、タイルのように表面がガラス質になってないので比較的滑り難い材質です。うちの事務所の玄関や母家の玄関でも使っているんですが、古いお寺の軒先などで見かけたりもします。古いものはたくさんの人が歩いた後が少しずつ凹んでいって色も変わってるんですが、それがまたいい風合いを出していて経年劣化とは違った味になっています。

f:id:cbr1100xx-superblackbird-01:20170801215728j:plain

なまこ壁にも瓦が使われているんです。

 

敷き瓦を壁に貼り付けて目地の部分に漆喰を塗り上げると土蔵などでよく見かける「なまこ壁」になります。瓦は耐火素材なので外壁に使うと防火の役目を果たします。なので財産など大事なものを入れる土蔵の外壁を「なまこ壁」にするのは防火・防犯上でもとても有効なんです。
他にも土塀は瓦と土が層になるように重ねて強度を出していますが、この土塀は古い瓦を再利用しているんです。昔は瓦も貴重品やったので瓦の葺き替えをする時に使えるものは再利用していたんです。その時に屋根の上では使えないと判断された瓦をただ廃棄処分するのではなく土塀に利用したんですね。
何でも廃棄物にしてしまう現代人はちょっと見習った方がいいかもです。