姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

見た目が綺麗になる漆喰工事は注意が必要です。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
早い人はもうお盆休みに突入してるようですね。遠出される方は道中気を付けて楽しんできてください。当社は13~15日がお盆休みでそれ以外は通常営業しております。

 

漆喰を綺麗にすると屋根全体が綺麗に見えます。

 

瓦を新しくしなくても瓦と瓦の間(面土といいます)の漆喰や鬼瓦とのし瓦の接合部の漆喰を新しくするだけで屋根全体がとても綺麗に見える事があります。
基本的に漆喰というのは自然素材のモノなので年月が経つと経年劣化で傷むしカビなども生えやすく白いものは特に汚れが目立ちます。それを新しくすると白い部分がとても綺麗に見えるので、屋根全体が綺麗になったように見えるんです。
姫路城もグランドオープン直後は漆喰の白さが際立っていて「白過ぎ城」なんて言われたりしていました。
2年経った今でも十分白い事は白いんですが、少しずつ際立った白さは落ち着いてきたように思います。まだカビは生えてないと思いますが、大気の汚れなどが付着してるんやと思います。

 

漆喰工事には注意が必要です。

 

この漆喰工事、実は注意して工事しないと雨漏りの原因になる事があります。特に訪問販売で各戸に営業を掛けているような会社の漆喰工事業者(左官屋さんに非ず)が施行する漆喰工事は良くない事が多いです。
まず第一に元からある漆喰を剥がさずに漆喰を上塗りしてしまう工事です。これをやると瓦を伝った雨が漆喰で蓋をされて表面に出てこずに中に入ってしまい、水の道が出来て雨漏りになるんです。
もちろん、本職の左官屋さんはこの事をよくご存知なので絶対に元の漆喰は剥がしてから工事されます。

 

谷板の上の漆喰も雨漏りの元になります。

 

屋根の面が交差する部分には「谷」と言われる部分があります。昔は銅板で作られていましたが、今工事をすると大抵はステンレス板を使います。銅板は雨垂れが集中する部分がどんどん薄くなって穴が空いてしまうからです。
そんな谷部にも漆喰をしてある事があります。というか昔の工事ではほぼ漆喰がしてありました。谷の上に瓦が直接乗ってしまうと銅板の腐食が早くなる事があるので瓦を支える緩衝材の役目を漆喰に持たせていたんやと思われます。
しかし、この谷の漆喰も雨漏りの原因になります。水を吸い上げて谷の裏側に回してしまうんです。また漆喰の下で谷板が傷んでしまっても目視で確認が出来ないので雨漏りの原因を調査する時の障害にもなるんです。
だから谷板のやり替え工事や新築の谷の部分の工事では漆喰を入れる事がなくなりました。
元々漆喰が塗ってあったのにやり替えた時に漆喰塗ってないって思われる方が意外といらっしゃるんです。
塗ると雨漏りしますよって説明したら大体は納得して頂けますが。
こんな風に瓦はそのままで漆喰工事をする場合でもちょっとした事で雨漏りの原因になったりするので、気になる場合は瓦屋や本職の左官屋さんに相談してみてください。

f:id:cbr1100xx-superblackbird-01:20170810191321j:plain