姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

家を新しくする時に少しだけ思い出してください。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
我が家では稲刈りが始まりました。今年は早い品種を植えたので例年よりも少し早目ですが、それでもそろそろそういう時期になってきたって事ですね。どこの田んぼも黄金色になってきました。

そんな景色を見ながら組合青年部の役員会に出席です。

 

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家を建てる時には新築の方にばかり気が行きます。

 

自分の家を建てるって事は人生の中でもかなり大きいイベントやと思います。「人生で一番大きい買い物」って表現されたりする事もありますが、「買い物」とは少し違うんじゃないかなぁって思ったりします。
それはともかく家を新築するとなるとお金の事や建ち始めた新しい家の事などいろいろと考えないといけない事がたくさん出てくるとは思うんですが、もう1つ忘れないでいただきたい事があります。
それはこれまで自分が育ってきた家の事です。アパートやマンションなどの集合住宅ならともかく、1戸建ての持ち家でご両親が健在な場合にその家の後々の事を忘れてしまっている方がとても多いように思います。

 

空き家がめちゃくちゃ増えているんです。

 

私たちが工事させてもらうお宅でも修理・リフォーム合わせると1ヵ月に1~2棟は空き家になっているんです。
施主さんは他府県や県内でも離れた所に自分の家を持っていて自分が育った家には戻らないという方がほとんどです。
近年問題になっている空き家の増加の原因ですね。空き家法が施行されて長い事放置された住宅に関しては固定資産税の減免措置がなくなるという事もあり、空き家の活用事例が少しずつ増えてきていますが、正直焼け石に水ですね。
住宅は新築の方がいいっていう日本独特の価値観はかなり根強いのでこの問題はまだまだ解決の糸口が見えません。

 

人が住まない家はどんどん傷みます。

 

不思議なもので家って人が住まなくなった瞬間から劣化のスピードが物凄く早くなります。
気持ち的にはほんの少しのつもりでも気が付いた時には大規模改修をしないといけないような状態になっているけど、経済的にそんな余裕がないので、見ないふりをしようって方もかなり多いんじゃないかと思います。
住宅関係の仕事をしているので、新築がいけないとは言いません。古い建物が絶対に良くて新築が悪いとも思っていません。でも自分が育った家がどうなるのかって問題は忘れちゃいけない問題だと思います。
利活用するのか、解体して更地にしてしまうのか。そういう決断をしないといけない日が来るって少しだけ頭の片隅にとどめておいて欲しいなぁって思います。