姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

昔の人は凄かった?経験則だけで建てられた建築物が残っているんです。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
涼しい日が続いてますね。このまま秋の空気になればいいなぁって思うけど、きっと残暑が戻ってくるんですよねぇ。
涼しいのに慣れてしまうとしんどいです。

 

お城を見る度に思う事があります。

 

私が住んでいるのは姫路城から直線距離で4kmほどのところです。家から直接お城は見えませんが、世界遺産になる前からずっと姫路城を見てるので、お城ってどこに行っても同じ規模やと思ってた時期がありました。
実際にはあれだけ規模が大きいお城が現存してる事自体が稀で築城当時の天守閣が残っている事の方が少ないと知ってとても驚いた記憶があります。
基準が姫路城なのでどこのお城に行っても「小さいなぁ」なんて失礼な事を思ってたのが恥ずかしいです。
でも全国各地のお城を見るのは好きなんですよね。どこに行っても同じものがないのでお城のつくりから歴史とか地域性のようなものが見えてくるんです。
そんなお城を見ていて感じる事がいくつかあります。

 

気付かせない技術の塊です。

 

お城って何も知らずに見てても十分に面白いんですが、知ればしるほど知らない事が増えていくんですよね。
特に面白いのが、お城のつくりっていろいろな事を「気付かせない」事に主眼が置かれてると思うんです。
天守閣というのは非常時に立て籠もる砦の役目をするので、攻める側に気付かれたらダメやから当たり前と言えば当たり前なんですが、建築の知識を持っていてもそうと知って注意して見ないと気付かない事がとてもたくさんあります。
例えば姫路城で言えば大手門から天守閣へと至る道筋で途中下り坂になってるところがあります。山の上のお城へ攻め上がるはずやのに下り坂なんです。最近ではテレビでも特集されてるのでご存知の方も多いかとは思いますが、攻め手に「本当にこの道で合ってるのか?」って思わせて足を鈍らせる工夫ですね。

 

巨大構造物を建てるだけでも大変です。

 

そもそもあれだけ巨大な建造物を建てるだけでも大変です。今の技術で重機を使いまくってもなかなかあれだけの規模のモノは作れません。それを重機も何もない時代に作って、さらに前述のような気付かせない工夫までしてるんですよね。
気付かせない工夫は見た目の部分にもあります。お城の天守閣って近寄って見上げると各層の角っこの部分ってきちんと並んでないんですよね。でもこの配置で離れた所からみると各層の織りなす線がとても綺麗に見えるんです。

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離れた所から見た時に綺麗に見えるように計算されてるんです。パソコンも何もない時代に経験則からそういう作りにしてしまう先人の知恵はしっかりと継承していかないとって思った和歌山城訪問でした。

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