姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

新しい街ならではの街づくりを神戸に感じました。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
定期的に天気が変わるのは季節が移ろってる証拠かな?また明日が雨予報なので現場の進捗状況が気になります。
台風の雨漏り修繕の現場調査があらかた終わって見積もりを提出した所から工事依頼を頂いています。有り難い事です。
そんな今日は明石海峡大橋の近くの現場でリフォーム工事着工です。

 

f:id:cbr1100xx-superblackbird-01:20170926175043j:plain

 

神戸には伝統的な日本の住宅が少ないです。

 

先日、神戸に行った時に久し振りに北野の周辺を街歩きしました。異人館などが密集しているところで坂を上がったり下がったりしてかなり疲れました。神戸が山と海の間に作られた町やってこういう所で実感しますね。
そして建てられている住宅を見ると神戸という町がまだまだ新しいんやなぁって実感します。新しいと言っても明治時代までは遡るので今の感覚では十分古いと言えるかもしれませんが・・・。
田舎で瓦の仕事をしていると築100年でも入母屋造りで伝統木造工法の家が当たり前にあります。逆に明治期に洋風建築を日本の大工さんが建てた家というのは滅多にありません。
今の洋風建築のようなものではなく、使われている技術は伝統工法やのに見た目が洋風なんですね。そういう家が北野にはたくさんあって、町並みの景観として成立しているんです。
これは神戸が明治に開港して新しく作られた町やからこそなんですね。

 

北野には純和風の家は似合わない?

 

神戸と一口に言っても三宮駅神戸駅のような中心街と西区やったり北区やったりとでは全く違う地域と考えないとです。その中でも北野界隈は開港した時の旧居留地があった関係で洋風の町並みになっています。
見た目は洋館なんですが、前述した通り使われている技術は日本の伝統工法で屋根もよく見ると和瓦やったりします。だからこそ北野では純和風の住宅と洋風の住宅が混在していても違和感のない待ち並みになっているんですね。
今の洋風住宅は伝統工法や在来工法とは全く別の技術で作られている事が町並みがちぐはぐになっている原因です。

 

家は育てるものです。

 

私は家は人が長く住んで手入れされて初めて完成するものやと思っています。工事が完了して後は引き渡しするだけという状態は家が完成したとは言えません。
家に住む人が家とライフスタイルを考慮して家具を選んだり使い勝手がいいように手入れしたりしながら育てる事でそこに住む人にとっての家が完成します。
そういう家が地域単位で広がっていって町並みを形成していくから歴史的な町並みというのは趣があるんですね。
家は個人の資産やから何をするのも個人の自由って考え方から少しずつ変わっていくように何が出来るか考えないとです。