姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

瓦屋さんでも屋根の上に上がるのは怖いんです。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
先週の天気予報では今日は雨予報じゃなかった気がするんですが、昨日予報見たら雨に変わっていて、実際今日は丸一日雨に降られました。

 

長く職人をやっていても屋根の上に上がるのは緊張します。

 

現場に屋根の点検に行くとお客さんからよく「屋根の上に簡単に上がるねぇ。怖くないの?」って聞かれます。お客さんには「慣れてますから」って返事はしていますが、実際には結構怖かったりします。
でも工事業者が屋根に上がるの怖いって言ってたらお客さんが不安になってしまうので、言葉を濁して「慣れてますから」って言うんです。屋根に上がるのに慣れてるから怖くないのではなく怖いと思う事に慣れているって意味ですね。
実はこの怖いって思う事自体はとても大事な事なんです。屋根の上を怖いと思わなくなると転落などの事故に遭うというのは昔から業界でも言われているんです。

 

漠然と仕事をすると緊張感が薄れてしまいます。

 

毎日の仕事で緊張感を保ち続けるのはなかなか難しい事ではあります。高い所に上がるのが当たり前になるので始めは怖いと思っていても慣れてしまうのも当たり前です。だから慣れてきた頃に事故が起こると言われているんですね。
自分自身を振り返ってどうやって緊張感を維持してたのか思い出すと、梯子から屋根に移る時が一番危ないと感じていたので、梯子を上がり始めてから屋根に移るまでの間で特に気を付けています。
最近は毎日屋根の上で作業する事自体が減って、点検や見積もりで上がる事が多いので、職人として屋根の上で仕事をしている頃よりも緊張感を保てています。

 

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屋根の上は危険がいっぱいです。

 

屋根の上というのは下から見ているよりも勾配がきつくて上方向への移動は平気でも下方向への移動はかなりの恐怖感を伴います。工事中やと施工前の瓦が足元を埋め尽くしていたり、取り外した瓦がまとめておいてあったりと障害物もいっぱいです。
それでも屋根の真ん中にいる時は比較的安全です。躓いたとしてもそれがすぐに落下に繋がるわけではないからです。もちろん、障害物に躓いて勾配の下方向に転ぶとそのまま落下に繋がる可能性がないわけではありません。でも躓いたりしても足を踏み外す心配ってほとんどないんです。
逆に屋根の端部、軒先やケラバ(横の端)では地面が見えていたりするので危ないですね。
よく屋根の上では命綱がないと危なくない?って聞かれますが、屋根の端部以外では命綱そのものが障害物になって危険な場合の方が多かったりします。屋根の端部では命綱は間違いなく必要なんですが・・・。
昔は葺き替え工事でも外部足場なんてしない現場がほとんどでしたが、今は逆に足場がない現場が稀になってきました。
修理工事でも足場をするのが当たり前になってくれたらもっと安全に仕事が出来るんですが、予算との兼ね合いでなかなか実現が難しいのが現状です。