姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

人を育てるのは時間がかかります。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
あっという間に10月も終わりですね。今月は雨が多くて仕事が進まない上に台風が来て終盤はヘトヘトになってしまいました。まだもうしばらくはこの混乱が続きそうなので簡単な修理に見えても事故を起こさないように気を引き締めないとです。


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職人が育つのが現場があってこそ。

 

東京オリンピックを3年後に控えて建築業界はずっと人手不足が叫ばれています。大手の建設会社で現場監督をやる人が足りないって話をよく聞きますが、実はそれ以上に深刻なのが現場で作業する職人の人手不足です。
新卒で高校や大学を卒業した人が就職活動をしている時に目に留まる職種の中に建築系の職人仕事をするところはほとんどないと言っていいと思います。それはこの世界が元々、興味がある人が自主的に飛び込んでくるか親と同じ仕事を選ぶかという2択でしか入職者がいなかった事に起因しています。学校に求人を出すって文化がないんですね。
それでも数年前まではまだ「仕事」を出来る現場がそれなりの数あったので、人さえいれば育てるのに困る事はありませんでした。

 

訓練校は現場での経験を少し補佐してくれるだけ。

 

瓦の業界にも職業訓練校があります。最近は瓦屋さんの身内が仕事を覚える為に入校するのがほとんどになってしまったうえに入校者そのものが減ってしまって運営にも支障をきたす事もあるみたいです。
かくいう私も淡路で瓦の職業訓練校に行っていました。集中的に座学や実技で教えてもらえるのは確かなんですが、それが本当に自分のモノになったと感じたのは現場で仕事をして数年経った頃でした。
訓練校がない頃は基本を覚えるのも先輩から休憩時間に教えてもらったり、より多くの現場を経験して失敗をしないと覚えられなかったのでその時間が少しだけ短縮出来て、教える側も仕事の手を止めて教える事がないので今の時代には合っているのかな?って思います。

 

10年後に平均年齢が10歳上げない為に。

 

今年当社に入ってくれた新人がやっと半年経ちました。先日20歳になったのでこれから少しずつ責任のある仕事が出来るように教えていかないとなんですが、業界全体で見るとまだまだ若手の入職者が少ないです。
仕事が減るのに人を増やすのは・・・という声もよく聞きます。実際、かなりしんどいのは確かです。でも10年後の事を考えると今が人を育て始める最後のチャンスかもしれないって思います。
このまま人を育てる事なく時間が経ってしまうと教える側も人に教えた事がない人ばかりになってしまうんですよね。
それって物凄く危険な事です。これからの時代に対応するためにも「人を育てる」経験も必要です。