姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

「無関心」が一番怖い。

こんばんば。

姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。

ただいまお江戸に向かう新幹線の中からブログ書いてます。

つい10日前に嵐の中をお江戸から帰ってきたとこやのに、またお江戸です。

今回は4月に受賞した東久邇宮記念賞と対になっている東久邇宮文化賞の授賞式に出席なんです。

 

どれくらい放置されてたのかな?

 

今は新幹線に乗ってますが、2時間くらい前までは現場で仕事をしていました。雨漏りの修理の伴う瓦降ろしです。お寺の千鳥破風の部分から雨漏りがしていて、雨仕舞いがよくないので、破風を取り払ってしまうという工事なんですが、瓦をめくってみると想像以上にひどい状態でした。

雨漏りの原因は谷の銅板に大きな穴が空いていたことやったんですが、その雨漏りで瓦の下の木材が腐ってしまって、更にそこに白蟻の被害も重なって母屋木(梁と梁を繋ぐ屋根を支える太い木材)が完全に折れてしまってたんです。

どれくらいヤバいかというとこの折れた部分の上に立つと瓦ごと室内に落ちてしまうくらいヤバい状態です。


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住んでいないと言ってもここまで酷いのは論外です。

 

このお寺、現在は住む人がいないそうです。近くに檀家さんはあって、ある程度の世話はされているそうなんですが、こんなになるまで放置してるのはいくら住んでいないと言っても論外です。

まぁ、まだなんとか屋根が落ちる前に修理が出来た事が救いかなぁ。

基本的にお寺って住む人がいなくなると本山から別な人が派遣されてくるはずで、檀家さんが周囲にあるのに無人になってる事がおかしいと思うんですが、きっと複雑な事情があるんでしょうね。

それにしても無関心にも程があるけど。

 

自分が住んだり管理したりしている建物にもっと関心を持ってください。

 

このブログでも度々メンテナンスの重要性を話題にしていて、その度にメンテナンスフリーな最近の家についても触れているんですが、新築で家を「買った」人はいざ住み始めると自分の家に無関心になる率が高いように感じます。もちろん、気に入っていろいろ自分で出来る点検は自分でする人もいると思うし、逆にこだわって「建てた」家でも無関心になる人もいるとは思うんですが。

先日、日本ホームインスペクターズ協会の定例会にお邪魔させて頂いて、海外の事例を勉強させてもらったんですが、海外の人は自分が住む家にはとことん拘ってメンテナンスしているという事がよく分かりました。

少しだけでいいので自分が住んでる家、気にかけてみませんか?