姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

メディアに取り上げられる場合は何でも一番厳しく紹介されていますね。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今日も寒かったですね。朝起きるのがとても辛い季節です。今日も日中に急に曇って雪が舞っていました。屋根の上は風も冷たくて動いてないと凍えそうです。

 

f:id:cbr1100xx-superblackbird-01:20180125195958j:image

 

アスベスト製品はまだまだ数多く残っています。

 

先日テレビで住宅のリフォームの番組を見ていたら、アスベスト製品の事をやっていました。アスベスト製品は2006年に使用禁止になっているんですが、新しい製品に使うのは禁止になっていても既設の建物にはまだまだ数多く使われています。その処分にはいろいろな制限がかかっていますが、一口にアスベスト製品と言ってもいろいろな形態のものがあります。一番有害なものが吹き付け断熱で使われていたもので吹き付け施工の時も解体の時にも細かい粉塵になって肺に入る事で肺がんや中皮腫の原因になってしまいます。しかしアスベスト製品全部がそんな状態のものではなくて、固形化されて安定しているものも多いんです。
私がテレビで見たものもそういった床タイルに使われていたものでした。番組上ではアスベスト処理をする場合に必要とされる処置を全て施した状態で行われていましたが、低レベルのアスベスト製品であそこまでやる予算を取れる現場の方が少ないように思います。

 

屋根材に使われているものも低レベル品です。

 

恐らく「低レベル」とかって表現をすると安全なものと勘違いされてしまう事があるのと、法的に突っ込まれないようにするための処置やとは思います。それと室内の作業で防護処置がしやすいのもあったのかもしれません。
我々が扱う屋根材の場合には湿潤工法は取れません。建物そのものを解体してしまうならともかく、まだ使用している建物の屋根の上で材料を濡らしてしまうと雨漏りの原因になるうえに足元が滑りやすくなってしまうので作業が出来ないんですよね。
そして飛散防止措置にしても完全に囲ってしまうのも風の影響を受けやすいので難しいんです。
以前、石綿法が施行されたばかりの頃に役所に届けようとしたら、低レベル品は数が多過ぎて確認に行けないので届け出されても困るという回答があったという話も聞いた事があります。

 

無節操に使うから後が困るんですよね。

 

アスベストそのものはきちんと管理して使っていたらとても優秀な建材やったと思います。今の技術力でしっかり管理していれば問題はほとんど起こらない気もします。それでも高度成長期のいくら建てても間に合わないというような時代ではそういう管理は出来なかったようで、それが問題となってしまったんですね。アスベストの使用が禁止になった後の代替品は今でこそ似たような性能になっていますが、当初は性能は低いのに高くて使いにくいものでした。その頃の製品は不具合を起こしやすくてたまに点検に行くと不具合を起こしている事があります。
結局、どんな材料も使い方次第なんですね。