姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

屋根材にも流行り廃りがあって、ひと昔前にも金属系の屋根材が流行っていました。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今週に入ってから天気が悪い日が続いていて、今日やっと回復したと思っていたのに降ったりやんだりと雨に祟られています。降るなら降る、降らないなら降らないともう少し安定した天気になってくれたら段取りもつけやすいんですが、春特有の不安定な天気と思えば仕方ないのかなぁ?とも思います。

 

金属系の屋根材は瓦よりも手入れを忘れがちになります。

 

ここ数年新しく建てられている住宅には金属系の屋根材が多く用いられています。瓦の採用率が減ってしまって業界全体が焦っている原因でもあるんですが、実は金属系の屋根材が流行るのって初めてではないんです。
今から約40年くらい前にも流行った事があって、その時に施工された屋根がどんどん傷んできて雨漏りするようになっているんです。特に金属系の屋根は勾配が緩い事が多くて降った雨がなかなか流れずに溜まった水が雨漏りの原因になります。金属って硬いから頑丈っていうイメージがあるのか、ほとんど手入れされずに30年とか40年経ってしまったように感じる屋根が多くて、もっとしっかりと手入れしておけばもう少し長持ちしたはずなんです。

 

金属系の屋根材のメリット、いろいろあります。

 

日ごろ瓦が好きやって事をずっと言ってるので金属系は嫌いやと思われているかもしれませんが、特に嫌っているわけではありません。金属屋根でしか治められない屋根もたくさんありますし、軽いという点においては群を抜いていて瓦にはない魅力がたくさんあるんです。
現在の新築住宅の屋根に金属屋根が採用されている主な要因は軽量である事が一番なんですが、それ以外にもたくさんのメリットがあります。工場での加工の仕方によって長さも幅も自由に決められるし、流れ方向に向かって1枚で施工したらどんなに緩い勾配でも雨が漏る心配もありません。緩勾配で正面から見える面積を減らす事によって建物の印象をすっきりと見せる事も出来ます。材料そのものの厚みもかなり薄いので増築する場合でも取り合いになる部分のぎりぎりまで階高を高くする事ができるんです。

 

イニシャルコストは低くてもランニングコストが高い。

 

金属屋根材は最初に施工する時のコストが瓦に比べて物凄く安いのもメリットの1つですね。1枚が大きいので使う枚数が少なくて済み職人さんの手間も瓦に比べたら少なくて済むのでイニシャルコストが低いんです。
でも軽量屋根材全般に言える事ですが、イニシャルコストが安い分ランニングコストが高いんです。材料が薄いので瓦に比べて耐候性が低く、10年に1回くらいは塗装しないと防水性が保てません。金属屋根でいうと錆びてくるんです。一度錆びてしまうとその後に塗装しても塗料が浮いてしまって強度が保てないので結局寿命が短くなってしまいます。
どんな屋根材でもメンテナンスフリーは有り得ないって事ですね。

 

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