姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

屋根って大きくても小さくてもやらないといけない工事は同じなんです。

こんにちは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
予報通りの雨ですね。昨日の夕方、まだ雨が降ってない時間帯やったけど今年初の蛙の鳴き声を耳にしました。家の周囲の田んぼは少しずつ減ってきていますが、田舎はまだまだ季節毎の自然の声を楽しむ事が出来ます。これから7月くらいまでは蛙の合唱が少しずつ大きくなっていく季節ですね。

 

古い瓦を使っていたお堂の工事が完了しました。

 

姫路の中心部にある播磨国総社「射楯兵主神社」で八幡宮の瓦降ろしを先月の始めに着工させて頂いたんですが、それが先日完工しました。

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社の周囲に大きな木が生い茂っていて落ち葉が屋根の上に降り積もっていた事も屋根が傷んでいた原因ではあるんですが、この物件の場合はそれよりも前回の葺き替えから時間が経ち過ぎていた事が原因でした。
なにせ降ろした瓦に刻印されていた「大古瀬市左衛門」という名前を調べてみると1800年頃に5代続いた「市左衛門」という瓦師の一族の一人のようなんです。その当時から全く葺き替えしていないわけではないけれど、瓦そのものの年代は1800~1900年代前半のモノなので少なくとも100年以上、もしかしたら200年くらい前のものの可能性が高いんです。

 

小さくてもやる事は同じなんです。

 

瓦屋根の工事をする場合、面積が小さいと割高になります。それは面積の大小に関わらずやらなければいけない施工部位が変わらないからなんです。もちろん、屋根形状による違いはいくつかあります。しかし屋根形状が同じの場合、10平方メートルの屋根であろうが1000平方メートルの屋根であろうが施工ヵ所は同じなんです。そうなると面積が大きく、長さが長いほど作業効率は良くなります。だから屋根工事をする際に小さい建物やから安いはずと思っているとちょっとびっくりする事になるかもしれません。
特に平方メートル当たりの単価で比べるとかなり大きな差になってきます。よく「高っ!」って言われてしまうんですが、我々としても面積が大きい物件と同じ金額では出来ないので、小さくてもやる事は同じだという事を根気強く説明するしかありません。

 

周辺の状況や屋根の勾配、面の数など差が出る要素は他にもたくさんあります。

 

屋根に限らずリフォームの工事をする場合には同じような面積、数量でも金額に大きな差が出てしまう事がよくあります。
その建物が建っている立地や交通状況、建物に隣接して広い場所が確保出来るかや屋根の場合では勾配や面の数によっても変わってきます。それが単純な価格の比較が出来なくて料金体系を分かり難くしている要因でもあるんですが、この要素を無視して見積もりをする場合には工事をする側としては一番手間がかかる場合を想定するしかありません。最近の風潮を見ているとそれでもいいのかもしれないという気がしていますが、出来るだけお客さんの負担を減らせるようにと頑張っています。
安い事が一番良いという価値観は他の大事な事を見落としてしまいかねないので安易に飛びつかないように気を付けないとです。