姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

演劇の舞台装置やアニメの中で描かれる瓦の描写はかなり曖昧です。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
台風5号は近畿地方には特に影響はなかったけど、他の地域はどうでしたか??梅雨の間は台風直撃する事少ないけど、梅雨明けから秋口にかけては台風が一番発生するシーズンなので仕事的にも毎年の台風の動向は見逃せません。
ちょっと情報収集が遅れるとすぐに台風が複数個発生してたりするし、台風じゃなくてもめっちゃ狭い範囲での集中豪雨もあるので気が抜けません。

 

演劇の建物の描写はかなり曖昧です。

 

最近はちょっと少なくなったけど、演劇をよく観にいきます。だいたい年間に10本前後くらいかな。一番多い時は年間に15本くらい観てた時期もあります。映画では感じる事の出来ない「ライブ感」が好きです。面白いって思ったら同じ演目を2回とか3回観る事もあります。話の内容やったり役者さんの解釈の違いやったりを感じる事が出来るし、音楽の使い方とか見所が満載なので何回観ても飽きないんですよね。
昨日も公演があれば必ず観劇に行く「劇団空晴(からっぱれ)第17回公演 となりのところ」を観てきました。この劇団の作品は常に心に刺さる重たいテーマを内包しながら観てたら爆笑出来るネタが仕込んであって、でも最後はほっこり出来るので大好きなんです。

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でも1つだけ気になっているところがあります。舞台装置です。舞台上でストーリーが進んで行くので、映画やテレビのように場面が変わると風景や舞台装置が変わるという事はほとんどなくて、話の舞台となる場所をデフォルメ化したりしてあって、舞台装置として1軒の家を丸っと再現している事はあまりありません。
それでも古い町並みの時には瓦の軒先(らしきもの)があったりするんですが、大抵は瓦の表現は曖昧にされています。もちろん、実物の瓦を葺く必要はないし、そこが屋根である事がお客さんに分かってもらえればいいのはよく分かります。
それでも「屋根が・・・」って思ってしまうのは職業病ですかね?

 

アニメでも線だけで描かれている事が多いです。

 

これはアニメでも同じですね。テレビドラマや映画などの実際の建物を使う作品の場合にはちゃんとした屋根になっているんですが、アニメではどれだけ背景を綺麗に作り込んでいる作品でも瓦の事を正確に描いているものはありません。建物の形と色で瓦屋根やって分かるからなんです。
こういう所を拘って見てしまうのは瓦業界でも少数派かもしれません。時代劇を観ていて、その作品の年代と屋根の仕様が合わない事なんてしょっちゅうですが、気になり出すと物語に集中出来なくなる事もあります。

 

瓦屋根の「イメージ」は共通認識になっているという事です。

 

色と屋根の形だけでその建物の屋根には瓦が葺かれているって理解してもらえるという事は作り手と観る側とが「瓦」について共通の認識を持っているって事なんじゃないかって思うようになりました。これってスゴイ事ですよね。
最近は屋根材って本当にいろいろあるけど、注目してみたら瓦やって分かるような描写じゃなくてもその建物は瓦葺きやって思わせる事が出来るんです。それだけ長い事町並みの中に存在し続けたのが瓦の良さなんです。業界に居てもなかなか瓦の良さを明確にするのって難しいけど、こういう日常の風景はいい切り口になるのかもしれません。