姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

災害が起きた時、瓦屋さんは忙しいので知り合いでもない家に訪問しません。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
朝から大阪の地震でテレビもラジオも大騒ぎしてますね。姫路も震度3~4で結構揺れました。阪神・淡路大震災の時も震度4やったけど、あの時よりは揺れは小さかったかなぁ。とにかく私が知る限り、姫路では被害はなくて現場も通常通りに仕事していました。神戸方面に現場があったら高速道路の通行止めの影響で現場に辿り着けていなかったかもですが。

 

悪質訪問販売業者は災害の度に沸いて出ます。

 

地震や台風で被害が出る度にどこからか沸いて出てくるのが悪質訪問販売業者です。瓦業界としても予防策をあれこれ講じていますが、最終的にはお客さんが判断する事でもあるので、我々としても歯がゆい所があります。
瓦の組合としても悪質業者の問題には頭を悩ませていて、お客さんに向けて啓発冊子を作ったり日常的な点検を呼びかけたりはしていますが、「全瓦連」はまだまだ知名度も低くて効果は限定的と言わざるを得ません。
しかも非常時には私たちは直接依頼のあったお客さんへの対応だけで手いっぱいになってしまうので、その隙を狙われると気が付いた時には被害が拡大しているといった事態になってしまうんです。

 

まっとうな瓦屋さんは非常時には訪問営業しません。

 

全瓦連への加盟・非加盟に関わらず、まっとうに仕事をしている瓦屋さんは災害などの非常時に一般のお宅への戸別訪問はやりません。そもそもそれどころじゃないくらい点検・修理の依頼があるので訪問営業に割く人員がいないんです。

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そして依頼があった順番にお客さんのところに行って点検や修理の見積もり、修理工事などを行っていくので、近くに工事に来たからとこれまで全く何のご縁もなかった家の点検なんてやってる余裕はありません。
昨年の台風でも仕事量のキャパを超える依頼があって、かなりお待たせしてしまいお客さんからお叱りを頂いたりもしたんですが、現場で仕事をする職人の数が限られている以上、どうする事も出来ないんですよね。

 

当然ですが繋がりが強い方を優先します。

 

基本的には依頼があった順番に対応するんですが、私たちも人間なので依頼が同時にあった場合、やはり繋がりが強い方を優先してしまいます。でも非常時に他の所は後回しにしてすぐに来て欲しいと仰るのはたいていはじめてのお客さんです。
家が被災して不安になるのは分かるんですが、ハッキリ言ってそれはその地域の皆さん同じなんですよね。そして場合によっては工事をする職人さんや会社も被災者である事があります。それでも自分の家や会社を後回しにして仕事をする事もあるんですが、それでも罵倒される事もあるので、そういう時はやり切れないですね。
実際、東日本大震災の時にはそれで心を病んでしまった職人さんもいらっしゃるようです。
そんな事態にならないように非常時の体制を作っていく必要がありますね。