姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

日本人は鉄筋コンクリート造を信仰と言ってもいいくらい信頼しているのは何故??

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
台風が沖縄から九州にかけて接近して大雨になってますね。近畿も今日から明日にかけて大雨の予報が出ています。今日から鹿児島に出張の予定でしたが、台風のせいで延期になりました。台風後も梅雨前線の南下に伴う雨の予報で今週はまともに仕事出来そうにありません。早いとこ天気回復して欲しいなぁ。
現場で紫陽花が綺麗に咲いてたので写真撮ってみたけど、背景は青空の方がいいなぁ。

 

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日本人は鉄筋コンクリート造が一番良いと思ってるようです。

 

日本は世界でも有数の地震大国です。先日も大阪で大きな地震がありましたが、あんなクラスの地震が他国で起きると被害はエラい事になります。建築物が地震がある事を前提としているかどうかという事が大きく影響するからなんです。ヨーロッパでは煉瓦や石を使った組積造が多いのは地震が比較的少ないからやと言われています。
鉄筋コンクリートはヨーロッパで開発されて広まって、日本では関東大震災の時に多くの建物が倒壊した経験から強度がある鉄筋コンクリート造が使われるようになったようです。
関東大震災の被害としては地震による倒壊よりも火災による被害の方が多かったんですが、当時新築されたばかりの日本興行銀行本店が無傷で残った事から耐震化に関心が寄せられたのと、木造住宅ばかりで火災が広がった事から「不燃化」が考えられるようになって鉄筋コンクリートへの信仰が始まったようです。

 

地震と戦争で焼け野原になった事も要因です。


新婚旅行で行ったイタリアでは400年前の建物が当たり前に使われていました。組積造は特に地震には弱いので、日本ではほとんど組積造の建物は残っていません。
逆に日本では昔から木造が多いのに住宅に関していえば400年前の木造住宅ってほとんど残っていないんですよね。これは組積造の建物って地震などで崩れても復旧が早い事も1つの要因じゃないかと思います。対して木造は一度火災が起こってしまえば全部燃えてしまうので、関東大震災や戦争の時の空襲で焼け野原になった経験から一軒家でも鉄筋コンクリート造を採用する事が増えたようです。

 

鉄筋コンクリート造が優れていて木造が劣っているというわけではありません。

 

地震や火災で被害が出た事で木造よりも鉄筋コンクリート造が優れていると思いこんでしまった事が鉄筋コンクリート信仰に繋がったわけですが、実際にどちらが優れているかというのは見る角度によって変わります。
建物そのものの寿命やメンテナンス性として考えるなら木造の方が圧倒的に優れています。法隆寺など1000年以上前から建っている木造建築物がいい例ですね。また、環境的な負荷が小さくて済むのも木造のメリットだと思います。短期的な耐震力やエアコンなどを使った場合のエネルギー効率で言えば鉄筋コンクリート造の方が優れています。
そろそろ木造を見直してもいい時期やと思いませんか??