姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

12年以上前の軽量屋根材は廃版になっているので修理が難しくなっています。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
毎日ブログを書くようになって今日で丸2年が過ぎました。やってみると案外出来るものですね。毎日何を書こうかと考えるのも当たり前になってきて、書く為に割く時間もどんどん短くなっています。最初は2時間ちかく掛かっていたのが今では30分くらいでの文章が書ける事を思えば各段の進歩ですね。内容はともかく。
たまに「表君やから出来るんや。」と言われるんですが、やってみたら誰でも出来るはずなんですよね。なかなかブログ仲間が増えないのは寂しいもんです。

 

台風で軽量の屋根材が葺いてある物件に多数の被害が出ています。

 

21号の接近がいよいよ明日に迫っていますが、台風20号で出た被害の復旧作業すら遅々として進んでいません。むしろ7月の台風や大雨の修理ですら完了していない有様でお客さんにはご不便をおかけしてしまっています。少しずつですが順番に修理が進んでいるのでもうしばらくお待ちください。
そして20号では姫路以東の広範囲で大きな被害が出ています。私も先日から神戸や明石の現場調査に走り回っています。和瓦の住宅もかなり被害が出ているんですが、それ以上に軽量の屋根材の被害が大きいと聞いています。私も何件かそういった物件の現場調査に行ってきました。

2006年以前の軽量屋根材にはアスベストが含まれている可能性があります。

 

アスベストと言えば肺がんや中皮腫の原因になると報道されて有名になった建材です。2006年の9月1日に建材に含まれるアスベストの量の規制がとても厳しくなりました。そのおかげで2006年以降の建材はノンアスベストと言い切れる材料ばかりになりましたが、建材としての性能はかなり優秀です。軽量でも粘りがあって強度を保ちやすいのが特徴なのでかなり広範囲の建材に使用されていました。
軽量屋根材の代表格である薄型スレートや工場の屋根によく使われている波型スレートなど2006年以前の建物の軽量屋根材にはほぼアスベストが使われていました。そして軽量屋根材を生産していたのは比較的大手の企業が多いんです。
ナ〇ョナルやク〇タ、セ〇スイといったメーカーですね。かなりの量が出荷されています。

 

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15年もしたら代替品はありません。

 

ここ最近よく台風などで被害が出ている軽量屋根材の建物はだいたい築15年~30年程度のものが多いんです。そしてほとんどの屋根材は現在生産されていません。どこかの問屋さんの倉庫の奥底で在庫として余っていたのが見つかったらかなり運がいいですね。我々工事店としても改修工事の時に使えそうなものは修理用として確保しておきたいって思うくらいです。条件がいいものはほとんどありませんが。
お客さんとしては1枚や2枚飛んだだけで屋根の葺き替えを推奨されるとは思っていないようで、時々他店で見積もりしたら葺き替えと言われたけど、本当に修理出来ないのか?と言った問い合わせもあります。
実際のところ15年前の軽量屋根材で今も同じものを製造しているものってほとんどありません。メンテナンスしながら長持ちさせるという発想をしない材料なんですよね。
代替品があるものも多少ありますが、全く代替品がないものも多くて台風などの後は我々も方々を探し回っています。
建築物って建てたら終わりではなくて20年とか30年は当たり前に使うものなので後の事まで考えて材料を選ばないとですね。