姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

瓦屋根設計施工ガイドラインでは屋根端部をビス留めするように指導しています。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
天気予報、見事に外しましたね。台風の後で仕事が溜まりまくっているので出来れば現場を進めたかったんですが、雨が降る予報が出ていて降水確率が80%になっていたら現場作業は中止にせざるを得ませんでした。朝イチは確かに降ってたけど、普段作業をしている時間には晴れてて暑いくらいで、「また降る降る詐欺かぁ」ってなりましたが仕方ありません。午前中に注文を受けていた瓦の配達をして、午後からは銀行さん主催のセミナーでがっつり勉強してきました。

 

瓦屋根設計施工ガイドラインというものがあります。

 

瓦を施工する時に業界で定めたガイドラインとして「瓦屋根設計施工ガイドライン」というものがあります。阪神淡路大震災で大きな被害が出たので同じ被害を出さないために新しく瓦を施工する場合の最低限の工事内容を示したものです。
地域によって決められた基準風速によって若干の仕様の違いはあるものの、日本全国どこに行っても同じガイドラインを適用する事とか「何が何でも瓦が落ちないように頑丈に施工する」という考え方に基づいているので、賛否両論あるガイドラインですが、これまで瓦の施工方法は職人の考え方一つで決まっていた事を思うと一定の基準を業界として示した画期的なガイドラインです。

 

屋根の外周部をビス留めすると風に強くなります。

 

このガイドライン工法では平部の瓦の留め付け方法として基準風速によって瓦2枚に1枚釘で留めるかすべての瓦を釘で留めるかと定められているんですが、屋根の外周部をビスで留める事も指導しています。
当社ではガイドラインで決まる前からビス留めする事を基本にしてきたので当社で工事した屋根で台風被害で瓦が飛んだという話は出ていません。
台風の時のように強風で瓦が飛ばされる時は建物が周囲よりも高い場所に建っていて風をモロに受けて外周部が飛ばされる場合と屋根の天辺の部分、「棟」というんですが、棟を強風が吹き抜けた時に風下側の平部の瓦に負圧がかかって浮き上がって飛ばされる場合があります。その外周部の瓦が飛ばされるという現象に対してビス留めは物凄く有効です。

 

既設の瓦でもビス留めは可能です。

 

ビス留め工事は新築や葺き替えで瓦を新しく施工するタイミングでしか出来ない工事ではありません。古い瓦でもドリルでビス用の穴を開ける事によって施工する事が出来ます。瓦に穴を開ける事に抵抗があるかもしれませんが、穴を開ける場所は瓦の中でも水が流れる事が少ない場所を選んでいます。素人さんがやると雨漏りの元になりますが、我々専門業者がやると問題ないんですよね。
そしてビス留めに使うビスもパッキン付きのモノを使用するのでビス留め部から雨漏りすることはまずありません。
昔の工法では屋根の外周部は釘留めやビス留めではなく銅線による緊結だけの場合も多いので、心配な場合にはお近くの瓦施工店に相談してみてください。

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