姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

災害が起きた時に「想定外」はダメですよね。「想定以上」なら分かるけど。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
台風21号から2週間ほど経ちましたが未だに修理工事の見積もりのための現場調査の依頼の電話が止まりません。とは言っても姫路はそれほど大きな被害が出ていなくて依頼もほとんどが神戸以東です。それだけ広範囲に被害が広がっていてどこの瓦屋さんも手一杯になってるって事なんですが。今日も「どこかすぐに動ける瓦屋さんを紹介して欲しい」って電話がありました。「そんな瓦屋さんがあったら紹介せずに自分とこの仕事をしてもらってるなぁ」なんて思いながら「厳しいですねぇ」って返事するしかなかったんですが。

 

東日本大震災以降、よく「想定外」という言葉を耳にします。

 

かなり前になりますが、ホリエモンこと堀江貴文さんが「想定内」という言葉で「新語・流行語大賞」を受賞されていましたが、その後「想定外」という言葉がよく使われるようになった気がします。特に東日本大震災の後の福島第一原子力発電所の事故の時から災害の度に「想定外」という言葉が出てきているような気がします。
想定外って「そのような状況になると想定していなかった」って事なんですよね。近年は自然災害の規模が大きくなっているので、分からなくもないんですが、「想定していなかった」って事自体に大きな問題があると思います。

 

「想定以上」なら分かるんです。

 

災害対策って基本的には安全側で対策を取るはずなので、例えば大雨などでも過去のデータから最大雨量を抜き出して、その雨量でも大丈夫だと思われるレベルの対策が取られているはずなんです。
でも最近の報道では「想定外の雨」というような表現になっているような気がします。想定外って事はそんなに大きな雨が降るとは思っていなくて油断していたって事でしょうか??「想定以上の雨」って表現になっている時もあるんですが、何かというと「想定外」という言葉が飛び交っているイメージが強いんですよね。

 

瓦が進化してもそれ以上の雨が降るようになりました。

 

一般に「和瓦」と言われている「桟瓦(J型瓦)」が今の形になったのは江戸時代初期ごろと言われています。今と全く同じ形ではなかったにしても似た形になっていたという話なんですが、その頃には今の瓦のような「水返し」はありませんでした。雨が瓦の表面を流れていく時に瓦と瓦の隙間から毛細管現象でいくらかの水が瓦の内側に入っていくんですが、昔は瓦の下に土を置いて施工していたのでその土で中に入った水を吸収していました。それが土を置かない空葺きが主流になるにつれて毛細管現象で入った水をせき止める形に進化していったんです。

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でも今回の台風ではその「水返し」を超えて雨漏りした事例がかなりあったように思います。普段の雨では雨漏りしてなくて、台風の時だけ雨漏りするという場合ですね。
昔からあるけど時代の流れと共にしっかりと進化しているのにそれが追いつかないというのも悔しいです。