姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

漆喰を綺麗に塗った事が雨漏りの原因になる事があります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
日が落ちるのがすっかり早くなってしまいました。5時半を過ぎるともう真っ暗です。いつまでも暑いと思っていたのに朝起きると肌寒かったりで確実に季節が変わっていますね。そんな今日は親父の誕生日でした。66歳です。自分の年齢から考えたら当然なんですが、親の年齢を再確認するとびっくりしてしまいますね。

 

 漆喰工事をする時は注意が必要です。

 

よく築年数の割に漆喰だけが白く目立つ家を見かけます。経年劣化とカビとによって黒くなってしまった瓦の下の面土漆喰(めんどしっくい)を塗り替える工事をされた家ですね。でもそういう家の2軒に1軒は見た瞬間に雨漏りの心配をしてしまいます。瓦の面と漆喰の面が同じレベルになってしまっているからです。
基本的に漆喰というのは瓦の面よりも中に入っていないといけないんです。上の段から流れてきた水が瓦と瓦の間の目地から入るんですが、その目地の下を漆喰でふさいでしまうと水は逃げ場をなくして棟ののし瓦の下の土に浸透していくんです。そして一定以上水を吸うとそのまま雨漏りとして部屋内に出てしまいます。

 

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左官屋さんは意外と知らない。

 

この雨漏りの原因は漆喰を塗る事が専門の左官屋さんでも意外と知らない事が多いです。それは左官屋さんが塗った後で雨漏りがしても点検に行くのは瓦施工店だからです。我々が修理をしてもその事は左官屋さんに伝わる事が少ないんですね。
もちろん、左官屋さんを我々が手配する時にはそのあたりの事はきちんとオーダーするし、古い漆喰の撤去をせずに上塗りしていたら全部剥がしてやり直してもらいます。
最近は左官屋さん自体がかなり減ってしまっているので当社と付き合いのある左官屋さんはみんなそれを分かってくれているので特に指示も必要ないんですが。

 

多能工って聞こえはいいけど餅は餅屋です。

 

ハウスメーカーさんなどでは最近、「多能工」という言葉が便利よく使われています。大工さんの仕事もするけど左官の仕事や電気の仕事、瓦の仕事などいろいろな事を1人でこなす人の事です。それはそれでスゴイ事やとは思いますが当然、どの仕事もそれなりにしかなりません。本職のベテランでないと対応できないような案件を多能工が工事して後処理がさらに難しくなったという話も聞く事があります。
特に新築の場合には1軒の現場に関わる業者数が少なくなればなるほど効率はいいので元請としては有難い事なのかもしれませんが、餅は餅屋と考えて専門の職人に依頼する方が後々面倒がなくていいんですよね。