姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

地震と台風がコラボすると屋根よりも低い塀でも被害が大きくなります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
事務所の周囲に植えている広葉樹が少しずつ色付いてきました。先週が暖かかったので今週の冷え込みで一気に紅葉が進んだ感じですね。今仕事をさせて頂いているお寺も紅葉が進んで落ち葉が凄いので掃除が大変そうです。当社の事務所も紅葉を楽しんだ後の落ち葉の掃除が大変そうです。毎年綺麗にしてもらってるので感謝です。

 

大阪の地震から早5カ月です。

 

今年は6月に大阪府北部地震、7月に猛暑、8月と9月に台風と災害が続いた事もあって、大阪の地震の印象が少し薄くなってしまっている感じがします。でも大阪の北部は未だにブルーシートがかかったままの建物がたくさんあって、なかなか復旧が進んでいない状況なんですよね。
地震の直後は7月があんなに暑くなるなんて思いもよらなかったので、夏の間も暑いといいながら復旧作業はどんどん進むと思っていました。蓋を開けてみると猛暑で効率が落ちるし雨が多くて稼働日数が少ないしで全く仕事が進んでいません。
本来なら暑さが少し落ち着く10月くらいから本格的に復旧が進むはずが、台風の被害調査や応急処置に手を取られてしまったのが痛いです。

 

地震で緩んだりズレたりした瓦に台風の風や雨は大敵です。

 

大阪北部や兵庫県の東部は地震で瓦がズレたり緩んだりして、復旧工事が始まる前に台風の直撃を受けました。地震の被害がなかったらそこまで被害が大きくならなかったかもしれない現場が地震の被害と重なる事によって大事になってしまっています。
住宅などの建物の屋根のように高い場所にある棟は揺れも風も強いので被害が大きくなりやすいんですが、背の低い塀の瓦でも地震と台風で被害が大きくなってしまっています。

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昔ながらの工法で銅線などによる緊結が一切されていないのも原因の1つですね。

 

現在の標準工法にするだけで被害は一気に小さくなります。

 

全瓦連が推奨するのが「ガイドライン工法」です。地震で被害の出やすい棟部分を全数緊結する事によって瓦を屋根から落とさないようにする工法です。私自身はこの工法を全面的に支持するのはちょっと抵抗があるんですが、地震に対してかなり効果的である事は事実です。新築の住宅ではこの工法が標準工法として採用されていて、熊本地震鳥取地震大阪府北部地震でも新築の家の屋根の被害はかなり少なかったというデータもあります。
瓦が屋根から落ちないまま棟部が緩んでしまうと家がダメージを受けた事に住んでる人が気付きにくいというのが欠点で雨漏りの原因にもなり得るんですよね。
ガイドライン工法は阪神・淡路大震災の後に考えられてから少しずつ改良されてきました。これからはもっと進化させていかないとです。