こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
瓦降ろしをした際に出る廃瓦の処分費が年々あがってきています。処分する場所もかなり減ってきました。私が会社に戻った頃は5件くらい処分場があって、工事している現場の近くを選んで処分に走っていたんですが、瓦の受け入れをやめてしまったり会社そのものがなくなってしまったりして今では2件しかありません。今受け入れしてくれている会社が受け入れをやめてしまわない事を祈るのみです。
名古屋城の金のシャチホコは木造だって知ってました??
「金のシャチホコ」というと名古屋城が有名ですが、あれは実は瓦ではないんです。木造のシャチホコに金の板を貼ったもので、創建当初のものは戦災で焼失してしまって現在のものは復元です。創建当初は使われた金が今の3倍くらいの重量やったそうですが江戸時代の財政難で金の純度が下げられた事もあったそうです。
木造に金の板を貼ったものは江戸城や大阪城などで使われていたそうですが、数は少ないうえに全て戦乱で焼失してしまっていて、現存するのは名古屋城のものだけです。
ちなみに金のシャチホコが天守閣にあげられていたのは安土城、大阪城、江戸城、駿府城、名古屋城、伏見城など有力な大名の城やったみたいです。
当社にも「金のシャチホコ」があります。
そんな金のシャチホコですが実は当社にも存在します。当社のものは瓦で出来た鯱に金箔を貼ったもので、当社が瓦の製造をしていた頃に仏壇屋さんとコラボして作った商品だと聞いています。
今でいうコラボ企画商品ですね。いくつか作って全て売れたらしいんですがそのうちの1つが縁があって当社に戻ってきました。良くも悪くもバブル時代の遺産と言っていいかもしれません。私が子供の頃の事なのでどれくらいの価格がついていたのかは知らないんですが、当時は姫路城の大天守の鯱と同じサイズの鯱が欲しいって依頼があったりとびっくりするような話がいろいろ出てきます。
仕事に遊びを入れる余裕を持たないと楽しくないですね。
今は仕事してる時に遊び心を発揮する余裕がないくらいシビアな仕事が求められる時代になっています。でも実際に仕事をしていると金のシャチホコを作ってみようって思うような遊び心があった方がいい仕事が出来るなぁって感じる事がよくあります。
昔よりも今の方が職人さんが安全に仕事が出来るようになっているけど、その分遊び心がなくなってしまって窮屈で仕事に楽しみがなくなっているように思います。お客さんに迷惑がかかったり不快にさせたりするのは論外やけど、もう少し余裕を持って仕事が出来るように経営していかないとですね。