姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

瓦が一般住宅に普及したのは火災防止が目的でした。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の(おもて)です。
クリスマスが終わって、今日から地元の消防の夜警が始まりました。一気に年末感が増してきますが、仕事はバタバタしてて年末感全くないのでギャップがあり過ぎて変な感じがします。
現場の仕事は年内どころか来年の夏くらいまで詰まってしまってるんですが、とりあえず後3日で出来るだけ進めて1年を締めたいと思います。

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瓦が一般住宅に普及したのは江戸時代半ばです。

 

今は新築の住宅に瓦が使われ難くなっていますが、そもそも江戸時代の中頃くらいまでは一般住宅には瓦は使われていませんでした。ほとんどが借家で作りが簡単やった事と瓦がまだまだ高級品やった事もあって瓦を使っているのは一部の豪商の屋敷やお寺、大名屋敷などだけやったんですよね。
それが一般住宅に使われるようになったのは桟瓦が開発されて本葺きから桟葺きになった事と、8代将軍の徳川吉宗が江戸の町に火事が多い事から防火を目的として瓦を推奨した事がきっかけです。
人口が集中している江戸の町は木造の住宅も密集していて、それまでに何度か江戸の町は大火事があって江戸城まで焼失してるので、火事への対策が急務でした。

内側からの火よりも外からの火が問題でした。

 

江戸時代の火災は1軒で火事が起きるとそれが次々と飛び火して町全体が燃えてしまうほどの火災に発展してしまっていました。今みたいに家で火を使って料理をするのは1日に1回だけの家がほとんどで家にお風呂がある家は豪商や大名屋敷だけやったようです。そして消防も建物の破壊による防火がメインやったので火災の度に町のかなりの面積が更地になってしまったみたいなんですよね。
その為、飛び火で火災が広がるのを防ぐ意味でも瓦の役割が大きかったんです。現代は消防技術の進化で放水による消火が出来るようになったので町全体が燃えるような火災はかなり減りましたが、それでも2年前には120軒が全焼する大火が起きてるし、地震の後に起きた火災でもかなりの数の住宅が燃えました。

 

瓦は不燃材で耐火材です。

 

ちょっと前に建築士の構造計算書の偽造問題が起きた時に建築資材の材料の性能表示を確認するのが流行りました。
その時に瓦のメーカーにも瓦の不燃番号の問い合わせがあったと聞きました。不燃番号っていうのは材料の不燃性能の認定を受けた時に割り振られる番号なんですが、瓦にはその番号の割り振りがありません。
瓦という素材そのものが不燃材で耐火材と法律でも認められているからです。そもそも瓦は焼いて作られるので当たり前なんですが、なかなか知られてないみたいですね。