姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

瓦の色を変わったものにすると後々困ります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
屋根の上での工事は基本的に勾配がある所での作業になるんですが、同じように見えても勾配のキツさには違いがあります。一般的な住宅やとだいたい4寸から5寸くらいです。5寸くらいから屋根に上がるとキツいなぁって感じて6寸になると屋根の上での移動が恐る恐るになります。今日はその6寸勾配の屋根での修理工事でした。普段は力入れない所にめっちゃ力入ったので腰が痛いです。

 

釉薬瓦にはいろんな色があります。

 

瓦というといぶし瓦をイメージしがちですが、釉薬で色を付けた瓦もあります。30年から40年くらい前に物凄く流行った時期があって、修理工事に行く時にはその都度現場の瓦と同じ色の瓦を用意する必要があります。

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和瓦の色瓦は40年前に使われている色でも同じものがまだ生産されているのでメーカーが台風特需でバタバタしてない限りは用意出来るんですが、平板瓦の色は特注色などで廃版になってるものもかなり多いです。

 

明るいところで見比べないと違いが分からない事も多いです。

 

ハウスメーカーさんが住宅を販売するようになってからは瓦の色で違いをだしたり個性にしようとしたりしています。メーカー専用色なんかも出てきたりしていて、後から修理や差し替えしようとしたら微妙に色が違ってしまうなんて事もよくあります。
倉庫の中で似たような色が並んでいると同じ色と勘違いして現場に持っていって、現場で色の違いに気付くなんて事もしょっちゅうあるんです。ブラウン系やブラック系は標準色として廃版になりにくいけどメーカーによって微妙に違ってるので困るんですよねぇ。

 

釉薬の色は塗料では出しにくいです。

 

釉薬焼成してはじめて発色するので、表面が欠けたりした場所に塗るタッチアップ剤もメーカーが作っている専用のものでないと色が合いません。ホームセンターなどで売ってる塗料で代用しようとすると逆に目立ってしまって塗らない方が良かったなんて事もあるんです。
ちなみにいぶし瓦は塗料や釉薬ではないので欠けても色の違いはそれほど気になりませんが、瓦の表面の炭素被膜が経年で劣化してくると黒く変色してしまいます。補修用にいぶし瓦用のスプレーも売ってますが、これも並べると色が全然違うので目立ってしまいます。
屋根に上がって近くで見ているから気になってしまうだけで、地上から屋根を見上げると一般の人は気にならないかもしれませんが。