姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

今使われている瓦の原型は約350年前に出来たんです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今日も微妙な天気ですね。雨降らないと思ってたのに朝起きたらショボショボしてるし昼の休憩の時にも急に降り出すし。現場の工事に影響が出ない程度の雨で済んだけど、ちょっと不安定過ぎる気がします。風は春一番とか春の嵐って言葉があるように強いものやと思ってるんですが雨が多くなるのはもう少し後なイメージなので困ってしまいます。

 

瓦が減ったと言われていますが、それでも既存住宅で多いのは「和瓦」です。

 

瓦というとお城やお寺などをイメージされる方も多いと思います。所謂「本葺き」瓦ですね。平たい瓦を並べてつなぎ目に丸い瓦を被せる工法です。平たい瓦も重なりが深くて1枚割れても下の2枚で雨を受けるので雨漏りし難いと言われています。その代わり雨漏りが発生すると原因となる場所の特定が難しいので職人泣かせでもあります。
一般住宅は新築ではガルバリウム鋼板や薄型スレートなどの軽量材か陶器の平板瓦が多いんですが、全国的な一般戸建て住宅の屋根に施工されている瓦で一番多いのは「和瓦」と呼ばれる形ですね。JIS規格では「J型」と表記されていたり、専門職からは「簡略型」とか「桟瓦」、「地瓦」と呼ばれている瓦です。

 

f:id:cbr1100xx-superblackbird-01:20190312215732j:image

 

「和瓦」の原型は江戸時代に完成しました。

 

この「和瓦」、考案されたのは江戸時代と言われています。近江の国(現在の滋賀県)の「西村半兵衛」という職人さんが本葺きの平瓦と丸瓦を一体化させたものを作りだしたという資料が残っているんです。多分、今現在の形とは少し違うと思うんですが、これが一般家庭に瓦が普及した最大の要因でした。1軒あたりに使われる瓦の枚数を大きく減らす事が出来たからです。
ちなみに1674年(延宝2年)と年まで分かっているんです。

 

もうすぐ350年経ちます。

 

 

和瓦が開発されてから後5年で350年なんですね。当然の事ながらその間にいろいろな改良が施されて今の形になっていったんですが、製造方法も大きく変化してきました。
機械によって原土を練る事が出来るようになって、プレスで瓦の成形が出来るようになった事で大量生産が可能になりました。それと共に流通網も発達して全国に販売出来るようになった事が瓦の低価格化を促進したようです。
350年より前には瓦を使った建築は限られていたってのがちょっと意外です。それでも日本の風土で進化してきた瓦なので今後も大事に伝えていかないとです。