姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

良いのも悪いのもモノや工法じゃない。それを扱う人によって決まります。

こんばんは。

 

雨が続いてあちこち工事が遅れに遅れてしまい、今日は私も現場に

出ていました。

たまにはガッツリ屋根の上で仕事しないとですね。

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今日はラバーロック工法について少し書いてみようと思います。

ラバーロック工法というのはシリコン系の接着剤で瓦をがっちり接着して

しまう工法の事をいいます。

コレをやると屋根全体がガッチリ一体化してしまったんじゃないかってくらい

強力に瓦同士がくっついてしまいます。

さて、このラバーロック工法なんですが実は悪徳リフォーム業者の十八番って

言ってもいいような工法です。何故かというとまず材料費がとても安い。

そして一見すると頑丈になったように見えるので専門家ではない施主さん

向けには説得力あがり、施工するのに専門的な知識も要らない。

瓦の隙間という隙間全部を完全に塞いでしまう業者も少なくありません。

でも屋根(というか家)は呼吸しています。瓦の隙間からも空気の出入りが

あるんです。そこを塞いでしまうと瓦は大丈夫でも下地となっている木材が

傷んでしまったり、結露してカビが発生したり腐ったりと深刻な事態を

引き起こします。

ただし、専門家が正しい知識に基づいてきっちりやると少しだけ屋根の寿命を

延ばしたりする事も出来ます。

当社でも全くしないとい事はありません。

「瓦の葺き替えをしないといけないくらいズレが進んでしまったけれども、

お客さんの事情ですぐには葺き替え工事が出来ない。でも何か手を打たないと

ズレがひどくなって雨漏りもしてしまう」なんて物件が最近はとても多いです。

そんな時に応急処置としてラバーロック工法をする事があります。もちろん全面

ではありませんし、接着するのも瓦の一部だけです。

そうする事によって他の部分の修理をするために職人が屋根の上を歩き回っても

瓦がズレないので、安心して工事が進められます。

 

他にも瓦の棟(屋根の一番てっぺん部分)の、漆喰工事もよく悪徳リフォーム

業者がターゲットにしていますね。

漆喰が新しいと真っ白で一見綺麗に見えるんですが、これも正しい知識で

やらないと雨漏りの原因になってしまいます。

まずは古くなった漆喰を剥がして土を露出させそこに新しく漆喰を施工します。

のし瓦の見えている面から漆喰の面が奥に見えていたら大丈夫ですが面一に

なっていたら要注意です。

 

どちらの工法もそれ自体は悪いものではありません。使う人がどちらなのか

が問題です。

悪徳リフォーム業者かそうでないかを見分ける方法としては、まっとう

に仕事をしている業者は「近くで工事してるのでついでにやりませんか?」

なんて営業はしません。

そして、ラバーロック工法をやりませんか?とか漆喰を綺麗にしませんか?

なんて営業をしません。


屋根の上で仕事をしている時にお隣の瓦が明らかに割れているのを見つけた時

でも、まず自分が工事している施主さんに報告して直してもらった方がいい

ですよ。って言います。そこでお隣さんから「じゃあ、ついでに直して」と

言われた時に初めて「ついでに」点検しておきますね。って言うんです。

 

職人気質で口下手な人が多い業界なので営業がうまくなくて、ちょっと損してる

部分もあるけど、そういう職人さんがする仕事は丁寧で間違いがないです。

私が目標とする瓦屋さんはそんな職人さんの集団です。