姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

ホームセンターには瓦を含む屋根材を販売している店舗が少ない。その理由とは??

こんばんは。

 

 


先日、取引先のホームセンターのリフォーム部の安全協力会がありついでに店舗
内をじっくりと見せて頂く機会がありました。
壁に使うサイディングや外構で使うブロック、タイルなどいろいろな材料が
揃っていたんですが、屋根材として置いてあったのは樋と波板のみでした。

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ガラス瓦を設置する時に使用するアクリル板は基本的にホームセンターで
購入します。

なぜ瓦はホームセンターに置いてないのか??

 

まず1つは一戸一戸の住宅で使われている瓦の種類、大きさ、色がバラバラ
ですべてを揃えるのが不可能であること。

もう1つは瓦を販売しても屋根の上に上がって作業する事は困難で、お客さん
自らが工事をすることを推奨していないから。

基本的にはこの2点やと思います。

 

それぞれの住宅の瓦の違いを判別するのは難しい

 

元々瓦はそれぞれの地域に産地があってその土地の土で瓦が作られていました。
そして瓦の耐久は先日のブログで書いたように50年あります。
そうすると今は作られなくなった地元の瓦の家も多く、産地が違うと色も質感も
サイズも全く変わってしまって、元々の瓦と合わないという事もよくあります。
そして瓦のサイズの違いってパッと見て判断するのは専門職でも難しい場合が
あるくらい微妙です。屋根に上がらずに地面から見て瓦のサイズを判断するのは
とても難しいんです。

 

超大型ホームセンターには屋根材を置いてある事もある

 

しかしながら一般の方だけじゃなく、専門職(大工さんや水道屋さん電気屋さん
瓦屋さんなど)も利用する事を前提とした超大型のホームセンターには屋根材が
いくらか置いてある事があります。

一般の方向けではないし、「屋根材」ではあっても「瓦」ではないんですが、私
たち専門職が普段使っているものと同じものが販売されている状況を初めて見た
時はめちゃくちゃびっくりしました。

でもその事にびっくりするって事は、それくらい私たちの業界で扱っているもの
は一般の方には馴染みがないものなんやと考えると、いくら瓦に歴史があっても
選ばれなくなっていくとちょっと怖い未来になりそうやなぁって思います。

 

まとめ

 

ホームセンターには本当に色んな資材が置いてあります。
それだけ一般の方が自分でいろいろやってみようって思うようになったって事
やと思うんです。

そして瓦のメーカーも屋根材として以外にもいろいろな景観材を瓦で作って
います。一見するとタイルのように見えるいぶし色の敷き瓦やレンガ状の瓦、
先日の淡路のSAのスターバックスの壁に使われているような壁材になるもの
まで作られていますが、なかなか一般のお客さんのところまで広まっていない
のが現状です。

 

我々工事業者もメーカーもそういうモノがあるのは知っているのに、それを目に
見える形で発信していないのが一番の要因ではないかなぁ?って感じます。

メーカーは主たる取引先は我々工事店なのでそこに宣伝するけど、我々施工業者
としてはやはり屋根材としての瓦を第一に考えてしまいがちだからです。

いろいろな瓦の可能性をもっともっと発信していこうと思います。