姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

想いを形にするための理想と現実のギャップが大き過ぎます。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
ここ数日、現場で仕事をしてもらってる職人さんや同業者、問屋さんと顔を合わせて最初に出てくるのは「暑いなぁ」です。
もうちょっと加減して欲しいなぁ。

 

町並みを残したいって思うけど・・・。

 

私が住んでいる姫路やその近辺は比較的古くて大きい家が多くて町並みも綺麗に残っているところがあちこちにあります。

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それがここ数年で少しずつ減ってきてる感じがします。相次ぐ地震で瓦離れが進んだ事と老朽化した家のリフォームで瓦ではなくなったり、瓦を採用していても元は本葺きやったのが桟瓦葺きになったりといった事が要因です。
今日、現場調査に伺った現場も予算の問題で大屋根は桟瓦葺きにせざるを得なかったとの事です。それでもなんとか町並みを残したいとのお話でした。私自身も瓦の町並みを残したいって気持ちは同じなので、何とか協力したいって思いました。

 

職人を動かすには予算が必要です。

 

私個人としてはなんとか協力して町並みを残せるようにしたいと思います。でも経営者としての視点で考えると最低限の利益を頂かない事には仕事は出来ません。会社を運営していく上で当たり前の事ですよね。
会社を将来に渡って残していかないとこれまで当社で工事をさせて頂いた施主さんの家に何かあった時に対応出来なくてお客さんに迷惑をかける事にもなります。
自分の休日にコツコツと時間をかけてボランティアでやる分にはいいかもしれませんが、技能を持った職人を動かすにはお金がかかるのが当たり前です。
古い瓦を再利用するには新しい瓦を使うよりも予算がかかるのは先日もブログにした通りなんですが、町並みとしては古い瓦を使う方が断然いいんですよね。そこが悩みどころです。

omotekawara.hatenablog.com

 

技術の安売りは絶対にしてはならない。

 

工事業として仕事をしていく上で一番やっちゃいけないのが「技術の安売り」です。
経営者としての自分は会社の存続のためにって考えるけど職人としては自分が持つ技術を安売りするのは自分だけじゃなく業界全体を安売りしている気分になります。
一介の瓦好きとしては出来るだけ残したい。でも経営者として、職人として考えると安易に安い仕事は出来ないってジレンマに襲われました。
これからどうすれば予算を抑えながらちゃんとした仕事をする事が出来るかをあれこれ考えていこうと思います。