姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

「儲ける」のではなく「対価を頂く」と考える。

こんばんは。


姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
十五夜ですね。家から外に出るとちょうど東向きになるので出た直後の満月が綺麗に見えます。スマホのカメラで月を撮ると明るすぎて綺麗に写らないのが残念。
後で一眼レフ持ち出して写真撮ってみようかな。

 

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利益は会社の栄養です。

 

現場に向かうラジオを聞いているとまだまだ安さを売りにしている広告をよく耳にします。そしてパーソナリティーはその安さを強調する論調で宣伝を進めています。
いいモノをより安くっていうのは買う側としてはとても有難いことなんですが、会社を経営する側としてはそういう風潮が極まってしまうと利益を確保する事が悪い事のように感じてしまいます。
私が工事の見積もりを出す時でもお客さんや工務店さんが瓦の1枚あたりの単価をご存知の事があります。そういう時によく言われるのが「材料代がこれだけやのにこんな値段になるの?」です。利益を乗せる事がまるで悪い事のように言われてしまうんですが、利益は会社にとっては栄養なんですよね。自分のところだけは原価でやって欲しいというような事を言われる事もあります。

 

儲ける事は悪いことじゃない。

 

ひと昔前はお客さんが瓦を直接買ってきて、屋根葺きの職人さんもお客さんから直接日当をもらっていたとの事です。恐ろしい事にその頃の感覚での「坪単価」が未だに蔓延っている事があります。
会社として屋号をあげていても社長は親方で丼勘定なので経費を一切考えずに材料代と自分の給料分とで考えてしまってるんですね。現場までの交通費やその他の経費は社長(=親方)の給料から出ている事もよくあるみたいです。
そういう値決めをされて、それが基準の価格になってしまうと普通に経営している会社はとてもではないけど価格では太刀打ちできません。それでも他が安くやってるから自分のところがあまり高く出来ないっていう意識が働いてしまうのでなかなか利益を出す事が出来ないんですね。
「儲ける=悪い事をしている。」という感覚になってしまってるのかもしれません。でも儲ける事って悪い事じゃないはずです。

 

自社の商品に責任を持つには長く続く事が大事です。

 

当社は今年で創業103年です。瓦の製造をやってた時期が80年近くあって、工事業としてはまだ25年に満たない会社ですが、老舗とまでは言えなくてもそこそこ長く続いてる方やと思います。それだけ長くやってるから私の祖父や曾祖父の代に納品したお宅からメンテナンスを依頼される事も多いんです。会社が残っていなければ他の瓦屋さんに依頼しているかもしれませんが、私は自社の商品は自社でメンテナンスしたい。職人さんが変わっても商品が瓦そのものから瓦工事に変わっても「表瓦」がやった工事は「表瓦」が面倒を見る。それが私が考える責任です。
しっかり儲け(=対価)を頂いてこれからも責任を果たしていきます。