姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

無料で点検するのが当たり前になってるのはこれまで身近にあったから。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
台風から2週間経って少しずつ現場調査も落ち着いて・・・来てたらいいんですが、相変わらず毎日現場調査の日々です。2週間経ってもまだ新規で調査依頼が来るので大変です。

 

無料点検は地味に辛いんです。

 

台風などの災害が起きると我々瓦屋さんはその調査と復旧に走り回る事になります。調査して見積もりした物件の工事が決まれば言う事ないんですが、施主さんが相見積されていて工事が決まらない事も多々あります。
その事自体は当然やと思うんですが、問題は調査に行く費用が無料になっているのが当たり前になっている事です。お客さんの側からしたら無料な方がいいのは分かるんですが、現場までの交通費や現場に調査に行っている時間の事などを考えると業者としては無料でやるのは結構しんどい事なんです。

 

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昔はもっと身近やったんですね。

 

なんで無料点検が当たり前になったのかって考えてみました。瓦屋さんって昔はもっと身近やったんですね。瓦屋さんに限らず大工さんや左官屋さんも同じです。住んでるところの近くに大工さんなり瓦屋さんなり左官屋さんなりが住んでいて、お客さんと職人さんとの距離がもっと近くて人間関係が出来ていたから、何かあった時でも気軽に調査を頼めてたし、それにも気軽に応じていたんです。
それが大手ハウスメーカーで建てられた家が多くなって施主さんと職人さんの接点がなくなってしまい、無料点検だけが残ったというのが理由のようです。
今は職人さんの数も工事店の数も減ってしまって、災害の度に職人さんが足りなくなってます。

 

電化製品などの故障は有償が当たり前です。

 

似たようなケースでも有償が当たり前なのが電化製品やトイレなどの故障です。家の中で特に危険もない作業でも点検に来てもらうだけで出張料がかかってしまうけど、それが当たり前になってます。
瓦の場合は基本的に屋根の上に上がるので危険を伴うし、ハシゴを車から降ろして屋根に掛けてという作業が増える分時間もかかるんですが、調査・点検が無料じゃないと依頼の段階で「じゃあ結構です。」って言われる事もあります。
そして何より元請になっている工務店やリフォーム業者さんが点検にお金がかかるという意識を持っていません。
瓦屋は個人事業主でやっている人もかなり多いのでコストの意識がないというのも無料点検が当たり前になってる要因かなぁ。
そろそろ自分たちがしている仕事に対しての認識を改めないといけないなって感じます。