姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

滑りやすい瓦と滑りにくい瓦があります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
昼間の気温と朝晩の気温の差が大きくなってきて秋らしい気候になってきました。おかげで当社の玄関にあるいろは紅葉が綺麗に色づいてきました。観光地の混み合うところにいかなくても自社で紅葉狩りが出来るのでちょっとライトアップしてます。

 

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屋根の上は滑りやすい??

 

仕事に行った現場で施主さんにご挨拶させていただくとよく「屋根の上は滑りやすいから気を付けてね。」って声をかけて頂きます。とても嬉しい事なんですが、実は勾配がついた屋根の上やからって滑りやすいとは限らないんです。
瓦にはいろいろな種類がありますが、その製造方法によっていくつかの分類に分けられます。その中でも和風の瓦の代表格なのが「いぶし瓦」です。焼成する時に昔は松の葉を今はガスを入れて内部で不完全燃焼を起こして炭素被膜を吸着させたものの事でこの瓦の表面は比較的ザラザラしていて滑りにくいものになります。焼成前の白土の段階で表面を磨く事によって表面を限りなく滑らかにするところもあるし、表面の質感は産地によってかなりバラつきがありますが、表面に釉薬を塗ってガラス質の膜を形成する釉薬瓦に比べると滑りにくくなっています。

 

瓦の形状によっても滑りやすさは違います。

 

当然ながら瓦の形状によっても滑りやすさは変わります。和瓦やS型瓦のように表面にRがあるものは表面が真っ平の平板瓦よりも滑りにくくなっています。
平板瓦でも水の流れを少しでもコントロールしやすいように表面に模様が入っているものもありますし、雪が多い地域に行くと雪止め瓦が施工されていて物理的に引っ掛かるようになっている屋根もあります。
最近は2階建てやけど小屋裏に部屋を作るために勾配をキツくしてある屋根もあって、そういう屋根では足場がないと点検に上がる事すらできない事もあります。

 

瓦と靴の間に異物が挟まると滑りやすい。

 

瓦の表面に何もない状態であれば勾配があってもそうそう滑る事はないんですが、雨が降ったりして水分が付着すると当然ながら滑りやすくなります。それでも水分だけならいぶし瓦ならまだ仕事ができない事はないんです。釉薬瓦の場合には少しでも表面が濡れるとその場でコケてしまう事もあるくらい滑りやすくなります。そして一番やっかいなのが表面に土や木くずが付着している場合です。そして災害などの修理工事では棟の部分の土が瓦の表面に広がってしまってる事がよくあります。気が付かないくらい少量の土でも靴裏と瓦の間に挟まっていると滑る事があるので要注意なんです。
自分で点検に上がる事はオススメしてませんが、どうしても屋根の上に上がらないといけない場合にはハシゴから屋根に移る時に少し靴裏をはたいて土を落としてから上がるようにしてください。