姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

最新の工法が最善とは言えないのが難しいです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
どんどん日が暮れるのが早くなってきましたね。この時期の屋根の仕事は朝は霜が降りていて屋根に上がれず、夕方は日が暮れるのが早くなるので仕事出来る時間が物凄く少なくなってしまいます。思うように仕事が進まなくて段取りを考えるのも一苦労です。

 

施工当時は最新の工法でも今では??

 

修理工事や屋根のリフォーム工事に行くと、施工当時は最新の工法やったけど、それが原因で瓦や屋根が傷んでいる事があります。調査の段階でお客さんにその事を説明して状態によって修理やったりリフォームやったり経過観察やったりという判断を伝えるんですが、その時にお客さんが「じゃあ、工事してもらった瓦屋さんが悪いんやね。」って仰る事があるんです。そういう物件もないわけではありませんが、基本的には「そういうわけではなく、工法は当時としては最新のものやったんです。」と伝えるようにしています。
実際には施工当初の工事が悪かった事例もない事はないけどそれを言ってしまうと当時、その瓦屋さんを選んだお客さんの事を悪く言ってるようにも聞こえかねないので出来るだけそういう言い方は避けるようにしています。

 

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現在最新の工法も30年後には分からない。

 

新しい工法や新しい素材がたくさん出てきて、昔からある瓦が減ってしまってる現在ですが、その新しいものが30年後に本当に大丈夫なのかは30年経ってみないと分からないんですよね。耐候テストなどをクリアしていると性能表示はされていますが、実際に30年経過させたものではないので。
典型的な例が「アスベスト」です。アスベストを混ぜた商品は軽くて丈夫やって触れ込みで一時期めちゃくちゃ流行りました。ところがアスベストの毒性が取り上げられて使ってはいけない事になると一気に建築材料から姿を消しました。今ではその処分が問題になっています。アスベストを含有している商品は処分出来るところが限られていて、処分費もかかるし届け出などの煩雑な手続きも必要になっています。
作ったメーカーはもう経営統合してしまって残っていません。

 

瓦は1000年以上使われ続けています。

 

その点、瓦は1400年前に伝来してから使われ続けています。もちろん、時代によって品質にはバラつきがありますし地域によっても形や大きさにも違いがありますが、今の形になってからでも300年以上が経っていて形状は大きく変わっていません。それだけ完成された材料やって事ですね。
ただし、当たり前の事やけど瓦には向かない地域やったり屋根形状やったりもあって瓦が万能やという事ではありません。
使いどころを見極めてきちんとした施工ときちんとしたメンテナンスをしていれば長持ちする実績もあるし、イニシャルコストがかかってもランニングコストは抑えられるのでその良さをこれからももっと伝えて私たちがちゃんとした仕事が出来るだけの予算を確保できるようにしないとです。