姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

一度引き受けるとそれが標準になる事って多いですね。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
夕方から急な雨が降って一気に気温が下がりました。雨で濡れたし風邪をひかないように気を付けないとです。

 

屋根工事の一番最初の工程は下葺き材の施工です。

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新築の現場に行くと年に1回くらいは上棟日に雨が降る事があります。朝から雨が降っていたら上棟そのものが延期になるので問題ないんですが、夕方くらいから降る雨が一番困るんです。
瓦の工事をする時に一番最初に行う工程が「下葺き材の施工」です。業界内では「ルーフィング」と言われていて、新築でもリフォームでも新しい瓦を施工する前に必ず行われる工程です。
瓦の下に防水効果を持つ材料「ルーフィング」を貼る作業なんですが、新築の場合には大体上棟日の夕方に施工しに行く事が多いんです。そして夕方から雨の場合にはちょうど我々が作業する頃に雨が降るという事なんですね。
降り出しが早くてしっかり降ってくれると大工さんがシートを貼って、ルーフィングは後日になるんですが、少々の雨やとシートを貼る手間を惜しんでルーフィングの施工を強行する工務店さんがとても多いんです。

 

雨が降ると屋根の上の危険度が跳ね上がります。

 

屋根の上は高所な上に勾配がついているので、一般の方には晴れていても「危ない所」と認識してもらってるんですが、建築関係の仕事をしているとその辺りの感覚は段々麻痺してきます。私たち専門業者は特に普段そんなに危ない所で仕事をしているという感覚はありません。
でも雨が降ったり霜が降りたりすると状況は一変します。屋根材の種類にもよりますが、屋根の上で自分の体を固定してじっとしてるのが精一杯っていうくらいに滑るんです。
瓦がまだ載っていない新築やリフォームで瓦を下した後の屋根でもそれは同じです。
そんな状態でルーフィングを施工しないといけないというのは正直なところ一番やりたくない仕事です。雨が降り出したら一応、「雨降ってますけど・・・」とは言ってみますが、元請さんからしたら雨が降ってるからこそ早く施工して欲しいんですよね。

 

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効率的に進めるのは大事やけど・・・。

 

私は経営者として職人さんに現場で仕事をしてもらって売上を上げているので、職人さんの安全や生活を守らないといけません。その立ち位置からすると、雨の日や風が強い日などの屋根の上での工事は断らないといけないんです。
葺き替えの工事では朝に晴れていても午後から雨の予報が出ていたら着工は延期します。午後から雨が降らなくて「仕事出来てたなぁ」って後悔する事も何度もあるけど、万が一を考えると強行は出来ません。
でも新築の場合は強行してしまう会社が多いですね。そしてだいたい雨が降り出す頃に我々が現場に行く事になるんです。
工事を効率的に進めるのは確かに大事な事です。でもそれで事故が起きてしまったら全部無駄になります。事故が起きる現場って大抵は自分がいる現場で事故は起きないって思ってるんですよね。それまで事故が起きずに済んでしまっているから。
危険な作業は出来ないって言う勇気を持たないとですね。