姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

最新技術もいいけど機械に頼らない伝統的な技術がスゴイです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
昨日のゴルフの影響で体中がバキバキ言っています。普段使わない筋肉使ったのと寒くて強張ってたのとが原因ですね。普段からもうちょっと運動しとけって事かな?

 

amazonで見つけてついついポチってしまいました。

 

先日父に頼まれてamazonで本を探していた時に私の購入歴からオススメとして提示された本が気になって、ついついポチっとやってしまったのが昨日届きました。
法隆寺 世界最古の木造建築」という本です。日本人はどのように建造物をつくってきたかというシリーズの1作目のようで、西岡常一棟梁と宮上茂隆という方の共著でイラスト入りで法隆寺がどんな風に建てられたのかが解説されています。それも土地を造成して木材を切り出すところから伽藍が完成するまでの全ての工程が解説されているんです。
イラストも木や建物の規模が分かるように木を製材しているや建てている最中のサイズ感が分かるように当時の人(と思われる風体)が作業している姿があって、それがまたいい味を出しているんです。

 

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古代建築は現代では再現不可能と言われている??

 

建築基準法の縛りがあるので古代のやり方そのままで建てる事がそもそも難しいのは確かなんですが、それ以上に現代では再現する事が難しいような技術が古代の建築物には使われています。
木の性質を見極めて適材適所で使う事もそうですし、予算的な問題で難しい事もあります。そもそもそれだけ良質で大きな木を用意する事が難しい時代でもあります。
それだけでなく、現代では重機や機械などに頼ってしまって土地や材料の性質を見極める人がいなくなってしまっているのが大きな問題ですね。同じような建物は予算があれば出来るかもしれませんが、今から1000年後に残せるような建物を作れるかというと難しいように思います。

 

じっくり時間をかけて作る建築物は物語になる。

 

今はいかに効率良く作業を進めて短い工期で完成させるかに技術が使われていますが、じっくり時間をかけて人の手で完成させた建物にはそれだけで物語になって、その建物を使う人が大事にすると思うんです。
簡単に出来上がるものは簡単に壊される。今の住宅は正にその代表ですよね。
ヘリテージマネージャーの講習を受けてから古民家や登録文化財を目にする機会が格段に増えました。長く大事にされてきた建物が今の価値観に押し流されて消えてしまう例もよく目にも耳にもします。勢いに任せて走るのもいいけどそろそろ一度立ち止まって振り返らないといけない時期になってきたからそういう事例が目に入るようになったんやって思っています。