姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

台風や地震など大きな災害が起こる度に屋根施工の技術は進歩してきました。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
関東から北海道にかけての春の嵐の猛威が嘘のように姫路は穏やかな天気になりました。毎年春は強風が吹くのでまだまだ注意は必要やけど、瀬戸内は比較的温暖で穏やかな気候なので仕事も捗るし安心して仕事が出来ています。

 

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今日もとてもいい天気で暖かかったんですが、日が暮れて少し冷えてきました。この寒暖差が風邪の原因になるので体調管理は今が一番大事です。

 

メディアの災害報道は被害が特にひどい所だけを出しているようです。

 

一昨年の熊本や鳥取地震の時もそうでしたが、昨日からの春の嵐でもメディアは被害が一番大きい所だけを切り取って報道していました。特に地震の報道ではヘリコプターからの空撮で瓦屋根の棟が崩れている建物と綺麗に残っている建物が並んでいる地域で崩れている建物だけをクローズアップして報道していて、隣の建物との違いについての説明がない事に憤慨した事をよく覚えています。
今回の強風で被害が出た地域の映像を見ていたんですが、一部明らかに空き家になっている建物に被害が出ている所だけを映し出したり、瓦が散乱しているところだけを取り上げたりしています。あれでは不安を煽るだけです。実際には同じ地域でも瓦以外の屋根でも被害が出ていたり、全く被害がない建物も多くあるのにあんな報道の仕方をしたら瓦は地震にも風にも弱いというイメージが定着してしまいます。

空き家になってしまうと建物は弱くなります。

 

どれだけ強固な施工をしていても人が住まなくなった住宅はどんどん傷んで強度が落ちていきます。古い建物で伝統的な工法でも人が住んでいてしっかり手入れされていればそこまで大きな被害が出る事は少ないんです。
空き家が増えているのは少子化の問題だけじゃなくて、都心部への人口の一極集中や核家族化が進んで1世帯に1件の戸建て住宅が当たり前になってしまったからです。地震や台風で建物に大きな被害が出ているのも空き家が顕著に増えてきた頃からなんですが、そういう部分との関連性を考えずに被害が出ている建物だけを追いかけたら比較的古い建物ばかりになるのは当たり前です。
地震や台風は揺れや風の方向1つで被害が出る地域や家のどの部分に被害が出るかが大きく変わってしまうので一概にこの工法を取っていたら地震も台風も大丈夫という事は言えません。ただ頑丈にすればいいってものではないんです。

 

住宅の工法は災害で進化してきました。

 

そもそも現在の住宅の工法は大きな災害が起きた事によって次に同じような災害が起きた時に被害が出ないようにと進化してきました。瓦が住宅に普及したのも江戸時代に都市部で火災が頻発していたため、防火の観点から推奨されたのが最初です。
そういう意味では時代の流れとも言えるんですが、安易に何か1つだけに被害の理由を求めてしまうとそれ以外の理由で発生する被害を減らす事が出来なくなります。特に住宅は長く人が住み続ける事を考えてバランスよく建てる必要があります。新築が一番強いのはある意味当たり前の事やけどそれ以上に強い古い住宅があるって事も考えておかないといけないですね。