姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

銅から鉄、鉄からステンレスへ。金属加工の技術と共に屋根に使われる金属も変化しています。

 こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
先日の雨以降、気温が一気に上がるようになってきました。今日も昼間は汗をかくくらい良い天気でこれからは夏に向かって屋根の上では日差しと気温との闘いが始まるんやなぁって実感しました。

 

銅は柔らかいので加工がし易いんです。

 

屋根材として使われる金属と言えば15年くらい前までは銅が主流でした。釘やビスに関しては25年くらい前から少しずつ使われる量が増えてきてたみたいですが、板状の材料は長らく銅板やったんです。理由は加工のし易さですね。銅は柔らかくて瓦の形に添うように変形してくれるので焼き物である瓦ではどうしても収まらない部分に使うのにもってこいやったんです。
また、鉄よりも錆びに強くて見た目も豪華に見える事、経年で緑青が発生してもそれが一種の風情となって景観的にも良かった事から永らく建築材料として使われてきました。
欠点としては高価である事と、錆びによる腐食はないものの柔らかさ故に一点に集中して水滴が当たると少しずつその部分だけが薄くなっていって、最終的に穴が空いてしまう事です。

 

鉄は銅よりも安価な事と塗装が出来る事で選ばれていました。

 

銅が屋根材としてよく使われていた事は確かですが、鉄が全く使われなかったかというと、鉄も意外とたくさん使われています。塗装によって防水性を高めた商品が一時期流行ったんです。安価に施工出来て塗装による防水性が10年程度保たれる事からとにかくたくさんの住宅を安く建てたい時には鉄は最適な材料やったと思います。
ただし、経年で塗装膜が傷んでくると錆びてしまって再利用が出来なくなるのが欠点です。定期的にメンテナンスしてお金をかけてやらないと長持ちしない材料なんです。

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今でも「ガルバリウム鋼板」という材料が流行っていますが、この材料も鉄板にアルミニウムを含む材料でメッキした材料になんです。

 

ステンレスは硬くて腐食しにくい。

 

現在、屋根に使われている材料とで一番多いのはステンレスです。ステンレスは銅ほど高価ではなく鉄よりも錆びにくい材料として我々もよく使っています。
銅ほど加工性が良いわけではないんですが、技術の進歩でかなり薄い板にする事が出来るようになってよく使われるようになりました。もちろん、ステンレスがよく使われるようになったのがここ最近の事なので、今後の経年劣化でどうなっていくのかは検証しないといけなくて、もしかしたら15年後くらいにはもっといい材料が出ているかもしれません。
特に現在少しずつ増えてきているのがチタンですね。東京の浅草寺五重塔や四国の霊山寺などで使われていて、軽くて硬い事が売りの材料です。まだまだ高価なので一般には普及していないですが、これも技術の進歩でどうなるか分からないですね。