姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

ものづくり大学でのものづくり体験教室では指導役ですがいろいろ教えられています。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
昨夜から降り出した雨が今朝には結構強くなっていて、そろそろかな?って思っていたら案の定、11時に近畿、東海、関東地方が一気に梅雨入りしたとの発表がありました。近畿地方は去年よりも2週間も早い梅雨入りだそうです。
ここ数年は梅雨といってもあまり雨が降ったという印象がなかったんですが、今年の梅雨はしっかり雨が降るとの予報も出ているので仕事への影響が心配です。

 

ものづくり体験教室の指導日でした。

 

今日は兵庫県立ものづくり大学校で開催されているものづくり体験教室での指導日でした。兵庫県内の中学校を対象に年間で約100校くらいが参加しているこの事業で指導をするようになって3年くらい経ちます。
それまでは技能検定を受検する人に検定の時に注意しないといけないポイントなどを教える事はあっても全く瓦を触った経験のない、しかも中学生に瓦葺きを教える事なんてなかったので、体験プログラムを技能士会の先輩方と一から組み上げて行ったのがつい昨日の事のように思えるくらいあっという間でした。
当たり前の事ですが、指導する生徒は毎回違うけど教えている側は毎回同じ事をやっているので、マンネリになってないかな?って不安になったりするんですが、生徒達は程度の差はあっても毎回楽しそうにしてくれているので終わった後はホッとしています。

 

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教える側に立って初めて分かる事がたくさんあります。

 

職人の仕事をするようになって、自分である程度瓦葺きが出来るようになると、自信がついてきます。何でも出来るとは言わないけれど1級技能士の資格を取って現場に1人で行けるようになると仕事に対しても「我」が出てくるようになるんですよね。
瓦のプロとしてある程度は必要な事なんですが、そういう時ってお客さんと話をしていてもやたらと専門用語を使うようになるんです。難しい言葉を使える方が仕事が出来ているっていう勘違いですね。
今思うと恥ずかしい事ですが、中学生や小学生に瓦葺きを指導しに行くようになってからはプロなら分かりやすい言葉で説明出来ないとダメやって思うようになりました。

 

自分で出来るのは当たり前、人に教えられるようになって一人前です。

 

職人の世界は自分で仕事を出来るようになって一人前ってよく言われますが、私はそれでは足りないと思っています。自分で出来るのは当たり前。むしろ自分で出来なくても人に教えられるようになってこそ一人前です。
職人の仕事はあくまでも「人」で成り立っているからです。どれだけスゴイ技を持っていてもそれを継承出来なかったらそこで終わるんです。今はある程度映像などで記録として残せるし、機械的な解析をしてどんな風に仕事をしているのかを数値として表現出来るようにはなりましたが、それでも「人」を育てるのは「人」やと思うんです。
だからこそ人に教えられるようになって一人前です。まだまだそのスタートラインに立てたかどうかっていう微妙なところですが、これからもこういう機会は逃さないように精進します。