姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

これからはいい仕事をしてそれを伝える所までが一連の「仕事」になります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
梅雨らしい予報が出てますね。元々日本の住宅は梅雨に一番快適に過ごせるように作られていたんですが、エアコンの普及と共に夏場と冬場に焦点があてられるようになりました。電気の使用を出来るだけ効率よくする事がエコな生活であると定義されている感がありますが、田舎の木と土と紙で出来た住宅は四季を問わずエアコン使わなくても比較的過ごし易いんです。調湿してるのでカビも発生し難いし。
そういう家をしっかりと残していかないとです。

 

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いい仕事をしていたらお客さんは分かってくれた時期はもう過ぎた。

 

私が瓦の仕事に就いた頃はまだお客さんの中にも瓦の事や屋根の事をちゃんと知っていて、いい仕事をしたら分かってくれる方がたくさんいらっしゃいました。だから職人側も「いい仕事をしたら分かってもらえる。ごちゃごちゃと口だけ上手くなっても仕方ない」という意見がまかり通っていました。
実際それでクチコミの仕事が確保出来ていた時代やったんで、当時としてはそれで良かったんですが、問題なのはここからです。職人の世界は未だに「いい仕事をしていれば・・・」という感覚のままなんですね。
ハッキリ言って時代遅れです。今は「いい仕事」である事は最低条件になっているのにそれに気付かずに黙って仕事が来るのを待っているんです。

 

そもそも「いい仕事」の基準って何?

 

そもそも昔のいい仕事の基準って何やろ?って考えてみると、材料や資材にいいもの(一等品)を使っている事や、手抜きせずにしっかり手間をかけて経年での劣化を遅くする工夫をする事といった、今では当たり前にやっている事なんです。
工事業全体のレベルが上がってきた事とお客さんの見る目が肥えた事によって手抜き工事をするとすぐに分かってしまうようになった事とゼネコンや工務店など工事を管理する職種の人が増えた事によって、施工技術が平準化された事によって当たり前になったんですが、それを未だに「いい仕事」と言ってるようではダメですよね。

 

伝えられないのは理解していないから。

 

昔ながらの職人さんにはあまり高学歴の方はおらず、どちらかというと長い経験に裏打ちされた技術を持っている方が多いんです。経験則で知っているけれどそれを言葉にする事が出来ないのであまり語らずに「いい仕事」でお客さんを捕まえていたんですね。
ところが最近のお客さんはどれだけいい仕事をしていてもそれだけでは納得して頂けません。きちんと言葉で説明出来ないのは職人が仕事を理解していないからと考えてしまう方も多いんです。経験則が理屈を上回る事なんてしょっちゅうあるんですが、自分がした仕事を言葉にして説明出来ないと「適当な仕事をした」と感じられてしまう事があるんですよね。
お客さんに分かりやすい説明をするのもこれからの職人の仕事やと私は考えます。