姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

大規模建造物が最新技術で作られるのは今も昔も変わりません。

 こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
台風が来てますね。19号の上陸は免れそうですが、20号が近畿地方に直撃しそうです。四国とか近畿の南部では19号と20号の影響で雨が降り始めからで1000mmを超えるかもって予報まで出ています。1000mmって日本の年間の平均降水量の半分以上ですよね。地域によって降水量に差があるので一概には言えないけど、それでも尋常じゃない量の雨が降る予報になってます。災害にならない事を切に願います。

 

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昔はお寺や神社、今は超高層ビルが最新技術で建造されています。

 

お寺や神社というと伝統的な工法で建造されているイメージがとても強いです。これはお寺や神社が住宅よりも築年数が長いものが多いので古い技術がそのままの形で残されているからです。でもその古いお寺や神社も建造された時は当時の最新の技術が使われていたんです。今で言う超高層ビルですね。
だからもしかしたら何百年後かに残っている超高層ビルがあれば今のお寺や神社と同じような扱いになっているかもしれません。もっとも今の技術では構造体のメンテナンスは難しいように思いますが。

 

昔の最新技術で建てられたお寺やから今の最新技術で修理しても良い?

 

先日テレビ番組で「お寺は昔の最新技術で建てられているのだから今の最新技術を使って修復する事の何が悪い?」というような話が出ていました。理屈で言えばその通りに聞こえるんですが、私はどうにも違和感をぬぐえませんでした。
昔の最新技術と今の最新技術には大きな違いがあります。それは昔の最新技術は年月を経て実績を残しているという事です。今の最新技術が実績を残すのはこれからなんです。問題がある技術は廃れていくし問題のない技術は残っていくけど、まだそれが振るい分けされていない状態で最新技術はすべからく良いものだと断定してしまうと後々大きな問題になると思うんです。
今は問題がないように見えても時間経過と共に発覚する問題に対する検証が出来ていないんですよね。

 

瓦も昔は最新技術でした。

 

瓦も朝鮮半島から伝来した当初は最新技術でした。そして長い事お寺や神社、城郭などの大規模建造物でしか採用されていませんでした。逆に言えばそういう建造物で経年による問題点の洗い出しが出来たからこそ一般住宅で使われるようになったとも言えます。
古い事を有難がって「伝統」という言葉で美化して古い技術にしがみついているのではなく、伝統的な工法の年月に裏付けられた信頼性と技術の承継を考えて仕事をしている身として、最新技術は伝統的な技術よりも優れているという一般論に反論してみたくなってブログにしてみました。