姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

現場調査や点検だけじゃなく、たまには職人さんみたいな仕事もしています。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今日は秋分の日の代休で休みやったんですね。中秋の名月らしいですが、天気あまり良くないので雲間から月が見えたらラッキーかも。最近は月や星を見上げる余裕もないし、天気が悪い日も多いので天体系のイベントはほとんどスルーしてきましたがたまには夜空を見上げるのも悪くないかもです。

 

台風で雨樋が飛ばされて軒先の瓦に被害が出ました。

 

先日現場調査に行ったのはとある企業が海水浴場のすぐそばに保有している保養所でした。台風の時に海からの風を受けて軒先の樋が飛ばされてしまったようです。その樋が引っ掛かる形で軒先の瓦がまとめて被害を受けてしまったんです。
それも普通の万十の軒瓦ではなく一文字軒瓦という施工する前に加工が必要で取り付ける時にも手間がかかる仕様のものです。新築や葺き替えで一から施工するのでも手間がかかるんですが、これが修理となると残っている瓦とも合わせないといけなくなるので更に手間がかかります。

 

久し振りに一文字の合端をしました。

 

瓦を取り付け前に加工して切り合わせを確かめる事を「合端」といいます。電動工具がなかった時代には鏨(タガネ)を使って瓦を切っていました。今でも技能検定では電動工具は認められていなくて鏨のみで瓦を加工しないといけません。
この一文字軒瓦は一級技能士の資格を取得する時の課題でもあるんですが、最近はこの一文字軒瓦の採用も減っていて、技能検定を受検した時に触っただけで仕事では使った事がないって職人さんも結構いたりします。
昔は多かったんですが、手間がかかるという事はそれだけ予算も必要やと言う事で低価格が絶対的な価値観になっている住宅ではまず採用されないんです。

 

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「職人さんみたい」って言われました。

 

私も一応、一級技能士は持っているし現場仕事をしていた頃にも何度か合端して取り付けもしているんですが、段取り方に回ってからはほとんど触る事がなくなっていました。1枚だけ壊れたのを取り換えるなどで施工はしていますが、そういう時には合端は必要なくて現場で加工するだけなんですよね。
今回の修理工事では50枚ほど必要なので現場で作業する前にしっかりと合端しておかないとです。午後から作業開始したんですがなかなか思うように進まなくて自分が思ってた以上に手が遅くなっていた事がショックでした。
作業してるのを見た母に「職人さんみたいやな」って言われるし。たまに現場で修理工事をする事はあるけど、ほとんど現場調査と点検、見積もりなど職人仕事は最近あまりしていなかったのでこちらも「そやろ?(笑)」って答えるしかなかったんですが。