姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

職人として出来る事と企業人として出来る事は分けて考えないとです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
雨が多かった9月も今週で終わりですね。本当にあっという間です。台風の影響からまだまだ脱する事が出来ていないんですが、少しでも現場仕事が進むとホッとします。
そして現場仕事が動き出すと見積もりや段取りをしているだけでは仕事をしていないような気分になってしまいます。実際には見積もりや段取りをしておかないと現場が動かないんですが、そればっかりやっていると受注しているのに未着工の仕事がどんどん増えていくんですよねぇ。

 

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無償で工事をするのは後々まで悪影響を及ぼします。

 

瓦業界は特に地震や台風などの災害の時に忙しくなります。被害が出た地域は瓦屋さんの争奪戦と言ってもいいくらいにあちこちから電話がかかってきてパンクしそうになる事もあるほどで、現場で仕事している時には電話に出ないという職人さんもいます。
そんな災害復旧の工事では「お客さんが困ってるから料金を頂くのが申し訳ない」という声をしばしば聞きます。私自身も現場で作業している時には同じように思っていました。しかし会社の経営として考えると無償でやるのはその時だけでなく後々まで悪影響を残してしまうんです。

 

「お客さんのため」は立場によって違います。

 

一口に「お客さんのため」と言ってもその中身は言う人の立場によって大きく違ってきます。職人の立場で言えば本当にお客さんが困っているから、頂くのは材料代と自分の給料分だけでいいという方も多いかもしれません。
しかし企業人としてはそれでは失格です。利益が出るようにするというと悪い事をしているように感じてしまうんですが、会社を存続させるためには必要な事やからです。お客さんが次に困った時に会社として存続していないと結果的にお客さんに迷惑をかけてしまうんですよね。

瓦屋は古い会社が多いので職人寄りの考えをしてしまいがちです。

 

瓦業界は比較的老舗と呼ばれる会社が多い業界のように思います。100年どころか200年、300年の会社もざらにあるし、昔は会社というよりは職人の元締め的な存在やったので困った時にはどちらかというと職人さん寄りの考え方になってしまいがちです。そのせいで災害が起これば起こるほど苦しくなって、存続出来ない会社が増えるんです。
阪神淡路大震災の時もとにかく応急処置だけでも早くしないとって無償で回った結果、落ち着いてみたら本工事は別の会社がやった後で無償でやった工事の分が回収出来なかったという事例が山ほどあったそうです。
現場の作業も楽しいけど先を見据えて経営していくのも楽しいと思えるように仕事しないとです。