姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

檜皮葺きのように見えるけどこれも瓦なんです。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今日は台風一過で爽やかな朝でした。今回の台風では姫路は雨、風ともに少し強いかなって程度で済んだのでそれほど修理の依頼もないやろうと高を括っていたんですが、以前からの台風で養生した現場やまだ調査に行けていない現場からも催促があったのでまだまだ現調祭りは終われそうにありません。

 

瓦にはいろいろな形があります。

 

瓦というと一般的に「和瓦」と言われる形を思い浮かべる方が多いかもしれません。それかお寺やお城の屋根の「本葺き瓦」も出てくるかもしれません。ここ20年ほどの流行りとしては「平板瓦」も認知されてきたし、洋風瓦の代表格といえば「S形瓦」も有名ですね。国や地域によっていろんな形の瓦が使われているんですが、世界最古の瓦は4000年前のギリシャで発見されたものだそうです。
そこからシルクロードを伝わってインド~中国~朝鮮半島と伝わってきて日本に伝来したのが約1400年前です。そこで日本独自の進化を遂げたのが「和瓦」であり、「いぶし瓦」なんです。

 

平板瓦は明治時代にもあった??

 

ちなみに平板瓦というと最近の瓦のように思われがちなんですが、実は平板瓦は明治時代に開発されていたんです。開発したのはフランス人のアルフレッド・ジェラールという人だそうです。150年近く前に開発されたものが平成になってから流行するってのも変な感じですね。
もっとも平坦な形というのは一番成形しやすい形でもあるので、屋根以外の場所では昔から使われていたんですよね。「敷瓦」という地面に施工する瓦です。いぶしの敷瓦はお寺の床面などにも使われているんですが、それが瓦やと認識される事がないのであまり知られていません。

 

檜皮葺きのように見える瓦もあります。

 

この建物は当社から車で10分弱のところにある公園のトイレなんですが、屋根材は檜皮葺きのように見える瓦なんです。

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「海椿瓦」という瓦で、形状はとてもシンプルなんですがシンプル故に変わった形の屋根にでも対応出来るんです。ある程度重なりを変えることも出来るのでデザイン重視の建物などでよく使われています。
ただし普通の瓦よりも雨仕舞が難しいのと単位面積当たりの必要枚数が普通の瓦よりも多くなるので重量的には重たくなり、手間もかかるので予算も余計にかかる事になります。ちょっと変わったことをしようとするとどうしてもお金がかかるのは何でも同じですね。