姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

災害が続くと瓦も足りなくなります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
朝、屋根に上がると瓦が露で濡れている事が多くなってきました。先日冷え込んだ日には霜も降りていたのでそろそろ朝イチの仕事では足元に注意しないといけないです。瓦が濡れていると滑りやすいだけでなく靴底やズボンが濡れて、それが他の場所を汚してしまう事もあるので気を遣います。軍手などの手袋類も濡れると汚れを他に移してしまうので細目に替えないとなんです。
日陰になる北側で周囲の壁が白いともう大変です。

 

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淡路島の瓦の欠品が続いています。

 

6月の大阪北部地震、7月の長雨、8月と9月の台風直撃で近畿圏は広範囲にわたって大きな被害が出ています。先日の全瓦連青年部関西ブロック会議でも各府県の復旧工事の進捗が報告されていたんですが、まだまだ調査が終わってやっと工事にとりかかったばかりという所が多かったです。
そして工事が始まったばかりだというのに既にどこも職人不足と資材不足に悩んでいるとの事でした。特に瓦は近畿圏では淡路瓦を使った家が多かった事もあって、復旧工事用の瓦の発注が集中して窯元が在庫していたものを全て出荷してしまったようです。
元々出荷数が減り続けていた事もあって生産調整で窯を止めていた事もあって特に色瓦が欠品してしまっているという報告を淡路瓦のメーカーがしていました。

 

生産を開始してもすぐに出荷できるわけではありません。

 

瓦の原料は粘土です。その粘土を成形して乾燥させ、色瓦の場合には釉薬をかけてから焼成するんですが、乾燥させるのも一気にやってしまうと亀裂が入ったり歪みが生じたりしてしまいます。ある程度時間をかけて乾燥させないといけないのと焼成の段階でも窯に入れたらすぐに焼きあがるわけではありません。
在庫がある場合には注文したらすぐに出荷する事も可能ですが、そうでない場合は焼き上がりまで待たないといけないんです。特注品でなければ通常は1ヵ月ちょっとで出来るものが今は注文が殺到している事もあって、フル回転で工場が稼働していても2ヶ月待ちになったりします。

 

仕事はあるけど人もモノもない。

 

災害が起こるとこういう状態になりがちですよね。仕事はある。お金もある。でも人がいない。モノも足りない。お客さんの中には発注したらすぐにでもなんとかなるって思ってる人も意外と多くて、3日と待てずに催促してくる人もいるくらいです。さすがに最後に台風が直撃してから2ヶ月も経つとすぐに対応するのが難しいというのは理解してもらえるようになったけど、今度は「年末が近いのでなんとか年内に」という催促が来るようになります。
業界をあげて全力で頑張っています。もうしばらくの御辛抱を。