姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

屋根の上で瓦を施工するだけが職人の仕事ではありません。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
今年の節分は昨年の恵方巻の大量廃棄の問題を受けてコンビニとかスーパーでも恵方巻は予約販売メインになりそうですね。ラジオやテレビでも話題になってました。うちでは母が毎年巻いてくれるので店売りのものは買った事ないんですが、毎年大量に売り場に並んでるのがちゃんと売れてるのか不思議やったんですよねぇ。

 

「手元」をする人が居なくなって久しいです。

 

私が高校生の頃はまだ瓦は「土葺き」する物件が多くて、職人さんが仕事をするときにはその手伝いをする「手元」と呼ばれる人が一緒にいました。「手元」とか「手伝いさん」って呼んでましたが、その仕事はとにかく屋根の上に土や瓦を揚げる事がメインでした。職人さんによって施工する時の土の硬さの好みがあって、「土を揚げてくれ!」って指示があって、バケツに入れて揚げると「もっと柔らかく」ってそのまま降りてきたりしてました。
柔らかくすると今度は「柔らか過ぎる!」って怒られたりもするんですが。(苦笑)
そんな風景も今は昔で、阪神淡路大震災以降は瓦の施工方法が「土葺き」から葺き土を使わない「空葺き」に変わっていった事で「手元」さんも居なくなってしまいました。

 

省力化で職人さんの仕事が増えています。

 

手元さんがいなくなるにつれて仕事の省力化も図られるようになりました。少しでも現場に入る職人さんが少なくて済むようにする為なんですが、そのせいで職人さんの仕事は増えています。
昔の職人さんは瓦の施工の事だけをやっていればよかったので瓦の荷揚げとか現場の清掃、片付けなんかは最低限しかやらない人が多かったんです。今はそれも全て職人さんの仕事になっています。本来は自分がした仕事の後始末なので自分でするのが当たり前なんですけどね。
「いくら掃除や片付けをしても売り上げにはならへん」って言い切った職人さんも居ましたが、作業が終わった後に現場の片付けまで終わらせないと工事完了とは認めてもらえないし、安全に作業するためにも掃除や片付けをしっかりやらないとなんですよね。
昔の考え方のままの職人さんはいくら人手不足でも仕事を任せようと思えないです。

 

1人で仕事をしているとなかなか捗りません。

 

昨年の台風以来、仕事がかなりバタバタしているので複数の現場が同時進行で動いています。そのせいで私は1人で現場に行く事が多いんです。半日とか1日とかで終わる仕事ばかりならいいんですが、何日もかかるような仕事の時には1人で行くとなかなか仕事が捗らなくて夕方になるとちょっと凹みます。特に棟を積む工事の時には効率が悪いんですよねぇ。人手不足をどう解消していくのかが今後の課題です。

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