姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

仕事は見て盗むものというのは昔の話です。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
朝起きたら結構暖かかったのに日中は風が出てきてどんどん冷えてきましたね。寒暖差が激しいとクシャミや鼻水が止まらなくなります。寒暖差アレルギーってやつです。ただでさえ花粉症やのに追い打ちです。しばらく冬型の気圧配置で冷えるらしいので体調崩さないように気を付けないとですね。

 

昔は仕事を「教える」事がなかったそうです。

 

恐らく、どの職種でも「職人」と言われる人が仕事をする世界では仕事は「教わる」ものではなく「盗む」ものと言われてきました。人から教えてもらった技術は自分の「モノ」になるのに時間がかかるけど、人がやっている事を「見て、盗んで、工夫」する事でその技術は間違いなく自分のものになるからです。
私が瓦業界に入った16年前はまだ「教える」という感覚を持つ人は少なくて、現場では教えてもらえませんでした。日々の仕事の中で怒られながら覚えていた人がほとんどです。
自分の仕事を言葉や数値で説明する事が難しかった事も1つの要因ですね。

 

今は教材も十分に揃っています。

 

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ」とは山本五十六の言葉です。職人仕事ではどれもやってなかったんですよね。それでも当時は今ほど機械化されてなくて、人が手を動かすのが当たり前やったから職人仕事をする人も多かったんです。
今では未経験で入って来た人が仕事を覚える時には現場でもいろいろきちんと説明するし、技能検定などでは講習会も開催しますし、検定架台の施工の動画をDVD化したりもしているんです。
更に基本的な和瓦の施工技術については全瓦連がテキストとして発刊しています。

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Youtubeにも施工動画が上がっています。

 

今年検定を受けた社員が検定の練習をする時にYoutubeを使って動画でやり方を確認していました。私が受検した時は当然そんなものもなかったのでひたすら自分で繰り返し練習するのみやったんですが、時代は変わるものですねぇ。
あまりにも簡単にやり方を確認出来てしまうので、自分で考える事が少なくなってしまう事が心配になってしまいます。まぁ、検定は普段の現場での仕事の状況とは違うんですが。
どれだけ本や動画を見て勉強しても最終的には現場で自分の手を動かさないときちんとした技術が身に付かない事だけは変わらない事実なので、私の仕事は社員が職人としての腕を振るって研鑽出来る仕事を確保し続ける事ですね。