姫路で瓦の文化を守る四代目表瓦社長のブログ

姫路生まれ育ったの瓦屋根工事店の四代目社長が住宅屋根のお悩みを解決します。

瓦が割れたりズレたりしていなくても雨漏りする事もあります。

こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
1日の西宮に続いて今日も神戸で新型コロナウィルスの感染者が出てしまいました。ちょっとずつ西に来ているので、姫路まで来るのかが心配です。3月もものづくり大学や神戸市の中学校への出張体験教室が決まっていたんですが、全て中止になりました。学校が休校しているから当然と言えば当然ですね。3月の予定がどんどん白紙になっていくのを見ていると怖いですね。今のところ仕事への影響がない事が救いです。

 

雨漏りの原因は瓦の割れやズレだけではありません。

 

雨漏りというと一番に瓦屋さんに連絡が来ますが、大雨の時の雨漏りは半分以上は壁などが原因になっていたりします。瓦や屋根が原因の雨漏りの方が実は少ないんですよね。
そして雨漏りしているからと屋根に調査に上がっても瓦の並びにはズレがないし、割れている瓦がない事もよくあります。
そういう時には雨漏りしていると思われる場所よりも上の部分の瓦をめくって調査するんです。屋根には勾配が付いているので、部屋の中に雨漏りが出ている場合は多少屋根面を流れてから入るからです。

 

瓦と瓦の間の埃が原因の事もあります。

 

施工されてから長時間経っていると瓦と瓦の間に埃が溜まっている事があります。その埃が毛細管現象を起こして雨が瓦の内側に入ってしまう事があります。施工直後は下葺き材のルーフィングが機能しているのでよっぽど量が多くないと部屋内に雨漏りとして出てくる事はないんですが、経年劣化でルーフィングが傷んでくると雨漏りになります。
線路の近くやと電車が通る時に削った線路の鉄粉が瓦の間に入り込んだり、海の近くやと塩分が結晶化して埃と同じ作用を及ぼすこともあるんです。

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瓦の葺き替え工事の時には雨漏りの後がはっきり分かります。

 

瓦そのものの耐久性は古いものでもかなり良くて割れたりする気配がないものも多いんですが、それでも葺き替えしないといけない事があります。昔の技術では瓦の端部に「水返し」を形成する事が出来ないので、毛細管現象で吸い上げられた水を処理できないんです。
そういう屋根の葺き替えで瓦をめくるとあちこちに雨漏りした後が見受けられます。本当にはっきりと雨漏りの後が分かるので、工事の途中で家の人に「雨漏りした事ないですか?」って聞く事もあるくらいなんですよね。大抵は「雨の量が多い時に何度か」という返答です。何度か部屋内に入ったってだけで、恐らく雨が降ったら瓦の下には雨が入ってたんやろなぁって思いながら、次はそういう事がないようにと工事をさせて頂いています。